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10月 4, 2017 by Yoshihito Aoyagi

2017年8月欧州新車販売台数レポート

  • 欧州市場の新車販売は、約90万台で前年同期比は5.4%増加
  • 欧州自動車産業にとって8月は販売が落ち込む時期であり、国によっては平均月間販売の半数以下に
  • 市場シェア3位のRenault-Nissanグループが2桁成長を見せ、シェア2位のPSAグループに迫る

欧州自動車産業は引き続き成長しており、2017年8月は前年同月比5.4%増の約90万台を記録した。イギリスが前年同月比で販売台数を減少させたが、フランスやイタリア、スペインの好調な販売が市場全体の成長に大きく貢献している。

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その他、注目国としてポーランドが急成長をみせており前年同期比で21.8%増を記録し、欧州で6番目の市場であるベルギーに約1000台差と迫っている。この要因は好調なポーランド経済によるものであり、今後も成長が続くことが見込まれる。

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8月の欧州自動車販売台数は、サマーバケーションのため例年少なくなる傾向にあり、過去5年間全体の平均月販台数より8月の平均月販は31%低くなっている。イタリアはこの販売低下の影響を最も受けている国であり、平均月販台数より約50%低くなった。また、フランス市場でも平均より40%低くなっており、続いてクロアチア(-37%)、ポルトガル(-31%)、ギリシャ(-29%)、スペイン(-26%)等の市場もこの影響を受けている。対照的にルーマニアの8月自動車販売台数は平均月販台数よりも34%高くなっている。

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JATO Dynamics社のGlobal Automotive AnalystであるFelipe Munozは今期の欧州市場について次のように述べている。
「欧州市場において8月は例年、販売が落ち込む時期であり、過去5年間の8月の平均月販台数は、全体の平均月販台数より31%も低くなっている。8月はサマーバケーションの期間があることが、販売が落ち込む原因とされている。イタリアがこの影響を最も受けている国であり、約2週間のバケーション期間は毎年自動車販売台数を低下させている。また、これによりイタリアをメイン市場としているFiatやAlfa Romeo、Jeep等のブランドが販売台数を落としている。イタリア以外にも、フランスやクロアチア、ポルトガル、ギリシャ、スペインが、この季節要因の影響を大きく受けた市場となった。但し、全ての国が影響を受けているわけではなく、ルーマニアやノルウェーは別月よりも8月の販売台数が高くなっている。」  

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メーカーグループ別で見ると、VW Groupがシェアを0.6%失ったが、引き続き首位となっている。続いているのがPSAグループだが、3位のRenalult-Nissanが2桁成長を見せ、徐々に2番手に迫っている。日系ブランドの販売に注目すると、TOYOTAが前年同月比 +14.4%を記録しブランド別ランキング10位。続いてNISSANが+17.2%の15位、SUZUKIが +27.5%の18位、MAZDAが +6.9% の19位、MITSUBISHIが +17.1%の22位、HONDAが -7.1%の23位であった。モデル別では、Volkswagen Golfが好調な販売を記録しランキングトップを維持している。その他販売が好調だったモデルは、Renalut ClioやDacia Sandero、Opel/Vauxhall Mokka、Citroen C3、Fiat 500、Seat Leonであった。日系ブランドでは、NISSAN QASHQAIが前年同期比 +17.1%のモデル別ランキング7位、TOYOTA YARISが10位(+17.6%)、またC-HRが41位、AURISが 42位(-14.5%)にランキングされている。

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