2020年1月欧州新車販売台数速報
2020年1月の欧州自動車市場は
電動車が全体の13%を占めた
- 1月の販売台数は前年同月比で6%減となり、悪いスタートを切った
- ディーゼル車とガソリン車の販売台数は、それぞれ17%減、12%減
- 欧州19カ国で、電動車のマーケットシェアは2桁となった
2019年12月に販売台数が大幅に増えた後であるため、2020年1月の台数は縮小し、またも欧州自動車市場は込み入った状況へと転じた。当月の販売台数は1,138,057台となり、前年同月比で7.6%減となっている。この急激な減少には、12月に新しい排出基準が施行される前の、土壇場での販売増があったことが大きく影響している。
12月から減少はしているが、実のところ過去10年間の結果を見ると、1月期としては4番目に販売台数が多かった。JATOのグローバルアナリストであるFelipe Munozは「欧州市場は、過酷な環境の下であっても、いまだその強さの兆候を見せている。市場は新しい規制にきちんと適合することができ、困難を乗り越えていけるだろう。このことは1月の販売台数を語る上で、多くの自動車メーカーにとって命綱であった電動車の販売台数が増えたことによって例示された。たった2年前であれば、これだけ多くの電動車が売れるということは、業界の多くの人にとって予期できなかったであろう」と説明する。
事実、1月の市場を成長へ導いたのは電動車のみであり、過去最高の販売台数とマーケットシェアを獲得した。要因としては、消費者のための補助金が増えたことや、電動車を所有することのメリットがより周知されるようになったこと、ディーゼル車やガソリン車に対しての懸念がより大きくなったことが挙げられる。電動車は当月、2019年1月の87,100台から大きく飛躍し、72%増となる150,100台を売り上げた。マーケットシェアは前年の7.1%から13.3%となっている。
すべての種類の電動車が成長へ貢献しており、ハイブリッド車(HEV)は36%増、ピュアEV(BEV)は91%増、プラグイン・ハイブリッド車(PHEV)は173%増となった。すべての電動車の中で、ハイブリッド車の割合が半分以下になったのは史上初である。Munozは「電動車の市場拡大はいよいよ実現可能なものであり、一度車両価格が手に入れやすくなれば現実となる見込みがある、ということを欧州は証明したのだ」と述べた。
電動車の市場拡大は、国ごとの結果を見ても、際立った結果となっている。当月のマーケットシェアは、ノルウェーで77%、スウェーデンで38%、フィンランドで28%であった。主要国で見ても、フランスで19%、イギリスで14%、スペインで12%、ドイツで10%、イタリアで8%である。メーカー別で見て影響力のある結果を残したのは、スマート(96%)、レクサス(95%)、トヨタ(66%)、DS(42%)、スズキ(41%)、ランドローバー(37%)であった。反対に電動車の割合の少ないメーカーは、シトロエン(1.4%)、セアト(1.4%)、フォード(3.3%)、オペル(3.9%)、シュコダ(4%)、フォルクスワーゲン(5%)である。
一方で、SUVの販売台数は前年同月比で1%減少したが、全体の販売台数の落ち込みのおかげで、なんとかマーケットシェアを2.6%ポイント拡大した。欧州全体で452,900台のSUVが販売され、マーケットシェアは39.8%となった。SUVの電動化率はたったの14%であり、ラグジュアリーセダンの28%がハイブリッド車、プラグイン・ハイブリッド車かピュアEV(BEV)のいずれかであるのに対し、相当に低い。Munozは「SUVの求心力は止まらない。しかし、自動車メーカーはその成長の勢いを失いたくないならば、電動化モデルをもっと製造する必要がある」と述べた。
最近発表されたモデルの内、注目すべき結果は以下の通りである。フォルクスワーゲン T-Crossが12,880台;シュコダ カミック(Skoda Kamiq)が6,079台;フォード プーマ(Puma)が6,036台;シュコダ スカーラ(Scala)が5,646台;マツダ CX-30が5,561台;キア Xシード(Kia Xceed)が3,231台;アウディ Q3 スポーツバックが3,080台;DS 3 クロスバックが2,382台;レクサス UXが1,894台;テスラ モデル3が1,457台;トヨタ カムリが1,182台。