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7月 12, 2022 by Terutaka Kawamura

2022年5月欧州新車販売台数速報

5月の欧州モデルランキングはステランティスが上位を占め、ヒュンダイキアが最もマーケットシェアを伸ばした

  • 2021年5月と比較すると、年初来累計販売台数は13%減少
  • フォルクスワーゲングループが引き続き販売首位だが、ヒュンダイキアが最もシェアを伸ばした
  • モデルランキングではステランティスが上位3位を確保

20225月、欧州の新車販売台数は前年同月比13%減の935,854台となり、年初来累計では4482,463台となった。これは、多くの欧州経済が史上最悪の感染拡大に見舞われた2020年を除けば、1985年以来、5月として最も悪い結果である。

欧州27カ国のうち、5月に成長を遂げたのはルーマニア、ラトビア、リトアニア、スロバキア、アイルランドのみで、欧州主要5カ国(ドイツ、フランス、スペイン、イタリア、英国)を含む15カ国が2桁の減少を記録している。

ヒュンダイキアが上昇を続ける

フォルクスワーゲングループは、自社ブランドのほとんどが好調であるため販売を伸ばしているが、20215月と比較すると、欧州主要メーカーのパワーバランスに変化があった。フォルクスワーゲングループとステランティスの両社は、ルノーとニッサンを別会社として見た場合に欧州第3位であるヒュンダイキアに、マーケットシェアを奪われたのだ。

 

当月、ヒュンダイキアは市場全体の10.1%を占め、20215月よりも10%多い94,800台近くを販売した。JATO DynamicsのグローバルアナリストであるFelipe Munozは「他の自動車メーカーが、加速するインフレ、ウクライナの地政学的状況、継続する半導体不足による複合的な影響を吸収するのに苦労している中で、ヒュンダイキアがこれほど素晴らしい結果を確保したのは驚くべきことだ」と述べている。 ヒュンダイキアが欧州で月次マーケットシェア10%以上を記録するのは、今回で6回目である。

EVはわずか4%増

電気自動車は、欧州の自動車メーカーにとって成長の原動力となっているが、このセグメントも現在の危機の影響を受けている。当月の電気自動車(BEVPHEVFCEV)の販売台数は 179,700 台で、前年同月の 173,400 台から 3.6%増となった。マーケットシェアは16.2%から19.2%になり、20205月からは11.8%ポイント拡大している。 Munozは「EVブームは続いているが、現在の情勢で業界が供給できるレベルはピークに達しているようだ」とも述べている。ピュアEVBEV)が全体の56%を占め、19%増加しているが、プラグイン・ハイブリッド車(PHEV)の販売台数が12%減少したことで相殺された。

BEV市場は、フォルクスワーゲングループ(24.4%)、ステランティス(20.5%)、ヒュンダイキア(12.1%)が支配的であった。しかし、フォルクスワーゲングループ、フォード、ニッサン、テスラ、マツダは、当月にマーケットシェアが縮小した。一方、中国ブランドの販売台数は197%と急増している。BMWグループは106%増となり、ステランティス、ヒュンダイキア、ルノーグループ、メルセデスベンツ、吉利グループ(Geely Group)、ホンダ、トヨタは2桁増であった。

 

BEVランキングでは、当月もフィアット 500が首位となり、販売台数は71%増加した。イタリアでは販売台数が減少(27%減)したが、シティカーの2大市場であるフランスとドイツではそれぞれ152%増、95%増となった。2位に続いたのは、同じくステランティスのモデルであるプジョー 208で、イギリス(106%増)とオランダ(365%増)での需要が顕著であったことが貢献した。フォルクスワーゲングループは、フォルクスワーゲン ID.4が、同社の最大市場であるドイツでの販売減に伴い、12%減となったものの、BEVランキング3位を確保している。

 

PHEVのシェアはステランティスが19.2%で首位で、フォルクスワーゲングループが16.5%BMW15%と続く。ステランティスの成功は、ジープ コンパスがこのセグメントでフォード クーガ(Kuga)に次ぐ販売台数を獲得し、これまでで最高の結果を残したことが要因であった。

ステランティスが圧倒的な強さ

全ての燃料タイプを合わせた総合モデルランキングでは、ステランティスが上位3位を占めた。プジョー 208は、15%増の18,250台以上を記録し、再び首位に立った。2位は16%増のオペル/ボクスホール コルサ(Opel/Vauxhall Corsa)、3位は1%増のフィアット/アバルト 500であった。Munozは「販売車両自体の不足が続いているため、入手できるかどうかがランキングの構成に大きな影響を及ぼしており、より多くの車両を生産しているブランドは、それが販売実績に反映されている」と付け加えた。ステランティスの躍進とは対照的に、フォルクスワーゲンは、当月モデルランキング4位のT-Roc5位のゴルフで販売を落としている。

 

フォード クーガ(Kuga)は、販売台数が47%増加し、トップ10入りを果たした。新型キア スポーテージ(Kia Sportage)が躍進し(41%増)、コンパクトSUVランキングで11位となった。トヨタ ヤリスクロスは1800台を販売してB-SUV6位となり、最近導入された新型プジョー 308128%増)はCセグメントで3位を確保した。また、ニッサン キャシュカイ(Qashqai)、クプラ フォーメンター(Cupra Formentor)、ルノー アルカナも好調だった。

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