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6月 20, 2019 by Terutaka Kawamura

2019年4月欧州新車販売台数速報

欧州自動車市場は、数ヶ月に及ぶ減退の後、ようやく安定へ

一方でテスラの販売台数は通常の水準へ戻る

  • 4月度の欧州新車販売台数は7か月連続の下落から安定へ
  • フォルクスワーゲングループ、ルノー・ニッサン、FCA、フォードの販売は落ち込むも、グループPSA、ダイムラー、BMWグループの成長が打ち消す
  • 電動車*のマーケットシェアは6.9%に

*HEVを含む電気自動車

2019年4月度の欧州自動車市場における新車販売台数は、長期に及ぶ下落傾向からようやく安定に転じた。販売台数は134万台と、過去10年間における4月度の中では最も高い2018年に並ぶまでに回復した。2019年4月末までの累計販売台数は547万台で、前年同期と比較して2.5%の減少となっている。

 

国ごとの内訳を見ると、販売台数が2.4%減少したイギリス・ドイツ・ベネルクス(ベルギー・オランダ・ルクセンブルク)市場、そして13.5%減少したスカンジナビア諸国(スウェーデン・フィンランド・デンマーク・ノルウェー)の減退が、スペイン・イタリア・ポーランド・スイス市場の著しい成長によって相殺されている。

新車販売台数は134万台、前年同月比で0.0% 年初来の累計台数では2.5%減 最も売上を伸ばしたのはトヨタカローラ

市場をけん引するガソリン車と2桁台の成長を見せた電動車(BEVPHEVHEV)が、販売台数12%減となったディーゼル車の不振を補った。ドイツとクロアチアを除いて、ディーゼル車は欧州市場全体で販売減となっている。今年1月から4月までの台数を見ると、ディーゼル車は市場シェアを32.5%に落とし、前年同期比で販売台数は15%減となった。

一方で、電動車の成長傾向は継続した。4月末までに合計91,200台を販売し、市場の6.9%を占めている。その大きな要因となったのが、ピュアEV(バッテリーEV)需要の高まりで、販売台数は71%増の22,900台を記録した。

欧州27カ国の販売台数増減ランキング

テスラの成長はなおも継続し、バッテリーEV販売ランキングの首位を占めているが、販売台数は通常の水準へ戻った。3月はモデル3の販売台数が15, 755台と、驚異的な結果を残したが、4月は3, 700台となっている。3月の異常な販売台数の多さは、購入予約をしていた人の数が多かったことの結果である(March’s boom was a result of the long waiting list for the vehicle 、リンク先はJATO Blog、英文)。しかしながら「イギリス市場にモデル3が導入されれば、またしても販売台数が大きく押し上げられることが期待できるだろう」と、JATOのグローバル・アナリストであるFelipe Munozは予測する。

燃料タイプ別による新車販売構成比

4月のSUV販売は、前年同月比11%増の495, 000台と成長を継続している。2019年の年初来から累計202万台を売り上げ、前年同期比8%増加した。当月のSUVセグメント成長を決定付けたのは、BMWグループ(+29%)、フォルクスワーゲングループ(+23%)、グループPSA(+14%)、ヒュンダイ・キア(+14%)である。

ダチア ダスター(Dacia Duster)は前年同月比30%も販売を伸ばし、発表以来初めてSUVランキングで首位となった。一方でトヨタ C-HRRav4、キア ニロ(Kia Niro)が電動SUVの販売首位を占め、アウディ Q3BMW X1、アウディ Q2がプレミアムSUVランキングの上位を占めた。

セグメント別マーケットシェア

他方でMPVの販売台数は21%減少し、4月に売れたのはたったの65,200台であった。小型商用車(LCV)から派生した乗用バンは、販売台数3%増の54,600台を記録しており、MPVに迫る勢いだ。JATOの洞察では、MPVと変わらない車内スペースでありながら、より安価な価格を消費者へ提供していることを踏まえ、乗用バンセグメントはいずれMPVセグメントを追い抜く、と予期している(Despite the facts, there is a future for the MPVリンク先はJATO Blog英文)。

ブランド毎に内訳を見ると、フォルクスワーゲンは今月も首位となったが、同社の3大主力車種である、ゴルフ、ポロ、ティグアンの販売が不調で、約7%の販売減となった。同様に、フォードの台数もフィエスタ(Fiesta)、クーガ(Kuga)、カー プラス(Ka+)の不振を受け下落し、オペル/ボクスフォール(Opel/Vauxhall)においては、クロスランド(Crossland)、グランドランド(Grandland)が2桁台の成長を見せたが、コルサ(Corsa)、アストラ(Astra)、モカ(Mokka)の不調が原因となり、順位を落とした。アウディもまた、e-Tron963台販売したが、A3A4の販売が不調となり、減少を記録している。

メーカー別モデル別欧州新車販売ランキング

対照的に、好調だったのはBMWだ。X1、1シリーズ 、新型3シリーズは10,000台を売り上げ、前年同月比19%増となっている。同じくプジョーも、3008108が販売台数を押し上げており、さらに新型5082,384台を販売した。シュコダ(Skoda)も台数を伸ばしている。スカラ(Scala)は704台であったが、オクタヴィア(Octavia)とカロック(Karoq)の好調が要因となり、販売台数が3%増加した。

トヨタは堅調であった。販売台数475台のカムリ、16%減のC-HRの不振をオーリス/カローラの25%増が打ち消した格好だ。一方フィアットは500、ティーポ(Tipo)、500Lの不振が影響し、販売台数は1%減となった。

最近発表されたモデルの台数は以下のようになっている。トヨタ カローラが11,381台、トヨタ Rav47,016台、シトロエン C5 エアクロスが6,799台、メルセデス Bクラスが6,431台、プジョー リフター(Rifter)が4,457台、メルセデス CLA3,666台、DS 7 クロスバックが2,509台、フォルクスワーゲン トゥアレグが2,104台、BMW X42,070台、セアト(Seat)タラッコ (Tarraco)が1,963台を記録した。

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