2019年米国市場レポート
販売台数は2019年も伸び悩んだが
アメリカ人の好みは変化を続けている
- 2019年全体の米国市場の新車販売台数は1710万台――2018年と比較して1.4%減
- SUVのマーケットシェアは、乗用車の台数を引き換えに拡大を続けている
- フォードは、ほとんどF シリーズのおかげで、米国での最多販売ブランドの座を維持した
2019年を総じて見ると、アメリカ人消費者の中のSUV人気は継続していることが分かる。2018年と比較して2.7%増となる790万台を売り上げ、同ボディタイプは、新車市場全体の46.5%を占めているからだ。トヨタ RAV4は3年連続してSUVの最多販売モデルとなり、北米市場販売全体でも4位となっている。コンパクトSUVは年間を通して448,068台を売り上げ、前年比で4.9%増を記録した。SUV販売でRAV4に続くのは、ホンダ CR-V、シボレー エクイノックス(Equinox)、ニッサン ローグ(Rogue)である。
この増加は、主に乗用車(セダン、クーペ、コンバーチブル等)の台数と引き換えに生じたものだ。2018年に乗用車のマーケットシェアは32.4%であったが、2019年は29.4%へ縮小している。対前年比で販売台数は1.3%減少しているものの、トヨタ カムリが、336,978台を売り上げ、またも乗用車の最多販売モデルとなった。以下5位までは、ホンダ シビック、トヨタ カローラ、ホンダ アコード、ニッサン アルティマ(Altima)が続く。
2019年は、SUVとMPVの合計販売台数が全新車販売の49.5%を占め、マーケットシェアが2018年比で1.55%ポイント拡大した。JATOのセールス&マーケティング部門ヴァイス・プレジデントであるDonald Smithは「もしこの傾向が継続するならば、2020年は米国市場において、新車販売の過半数をSUVとMPVが占める、初めての年となるだろう」と述べている。
トラックが、米国市場で重要な役割を果たしていることには変わりない。当年は、前年比で20万台以上となる、360万台以上を販売した。中でも、フォード F シリーズは、896,526台を売り上げ、当年も米国での最多販売モデルとなった。もしF シリーズを ひとつの自動車ブランドとすると、ジープ(937,255台)、スバル(700,117台)の間に位置する米国7位のブランドであることになる。F シリーズの後に続くのは、ラム(Ram) ピックアップ、シボレー シルベラード(Chevrolet Silverado)だが、ラムがシルベラードの台数を上回ったのは史上初のことだった。
前年度と比べて台数減ではあるものの、フォードは年間を通して230万台弱を売り上げ、米国の最多販売ブランドの座を維持した。首位を維持できたのは、F シリーズのおかげである。エスケープ(Escape)、エクスプローラー(Explorer)、フュージョン(Fusion)等の、他の売れ筋車種の売上は減少しているからだ。続く販売順位は、2位にトヨタ、3位シボレーである。トヨタは6年間連続して年間販売200万台を達成している。
メーカー別で、最もマーケットシェアを広げたのはラム(Ram)で、対前年比で0.60%ポイント拡大した。その成功に寄与したのは、625,275台を売り上げ、全体販売2位にもなったラム ピックアップである。
テスラ モデル3は、2019年に150,000台以上を販売し、プレミアムセグメントにおいて2年連続して首位となった。全体販売では、フォード フュージョン(Fusion)とマツダ CX-5の間に位置する26位となったが、2020年には上位25位内に入ることだろう。