欧州新車市場、2015年上半期は好調を維持

• 2015年上半期の欧州新車販売台数は、前年同期比+8.4%。6月単月では前年同月比+14.6%を記録。
• 欧州29ヶ国の内、25ヶ国で2015年上半期の販売台数が前年同期を上回る。
• 上半期の欧州最量販モデル3強はVolkswagen Golf, Ford Fiesta、Renault Clio。

JATO Dynamicsの最新レポートによると、欧州新車市場は2015年上半期、前年同期比8.4%のプラス成長となりました。5月に若干の停滞を経たものの、6月は前年同月比14.6%のプラスと、セールスは成長軌道に回帰しています。

今号のヘッドライン:

• 2015年上半期、欧州の新車販売台数は計741万台を数え、上半期としては2010年以来で最高を記録。
• イタリア、スペイン両国の2015年上半期新車販売台数は、ともに前年同期実績に10万台超の上積み。
• ブランド別販売ランキングのトップ10、モデル別ランキングのトップ10いずれもが前年同期比プラスを記録。

欧州新車市場は前年同期比プラスのセールスを記録し、2015年上半期を終えることになりました。先月は低い伸びに留まったものの、マーケット全体は力強い成長を維持しています。欧州29ヶ国の内、25ヶ国で前年同期比プラスとなり、その内4ヶ国では+20%を越える伸びを記録しました。

JATO Dynamics社のリサーチ部門バイスプレジデントであるブライアン・ウォルターズは次のように述べています。「成長トレンドに一旦ブレーキがかかってしまったかに見えた先月の状況にあっても、引き続き欧州新車市場の成長性に自信があるとお伝えしました。2015年上半期を終え、ほぼ全てのマーケットが力強い成長を記録したことから、その見方は正しかったと言えるでしょう」。

欧州新車市場 月別販売台数 2014年同月との比較

ブランド別では、Volkswagenが前年同期比+9.1％の約90万台を販売し、欧州市場のリーダーとしての地位を更に強固なものとしています。続いてRenaultが2位、Fordが3位にランクインしました。トップ10ブランド全てが前年同期比プラスとなり、中でもMercedes、Renaultの両ブランドが+10%を越える伸びを記録しました。これには新型C-ClassやニューモデルCapturの好調な販売が寄与しています。

トップ10ブランド

トップ10圏外でも新型モデルが販売増に貢献しました。特に、Jeep、Lamborghini、smart、Infiniti、そしてSsangyongの各ブランドが前年実績を大きく上回るセールスを残しています。

モデル別では、Volkswagen Golfが2015年上半期最量販モデルの地位を維持。前年同期比+2.2%を記録したものの、マーケットシェアは少し落としました。続いてB-セグメントに属する4モデルがランクイン、2位にFord Fiesta, 3位Volkswagen Polo、４位Renault Clio、そして5位にはOpel/Vauxhall Corsaが入りました。

新型Volkswagen Passatが+39.3%とトップ10モデル中最大の伸びとなり、昨年に旧型が記録したセールスを大きく上回りました。

また、トップ10圏外でも多くのモデルが販売増を記録する中で、Ford Mondeo（+56.7%）やRenault Twingo（+39.5%）、Peugeot 308（+33.7%）など、モデルチェンジを受けたり、改良型が投入されたモデルが際立ってセールスを伸ばしており、上位と同様のトレンドが現れています。セグメント別に見ますと、Renault Captur, Open/Vauxhall Mokka、Peugeot 2008、Nissan Juke、Citroen C4 Cactus、Fiat 500X、そしてSuzuki Vitaraといった新型モデル、またロングセーラーを続け、既に人気を確立したモデル達に牽引された、小型クロスオーバーの好調な販売が特に注目されます。

トップ10モデル

2015年上半期の結びとして、ブライアン・ウォルターズは以下のコメントを残しています。「数多くのブランドと、バラエティ豊かなモデルに及ぶ上半期の力強い結果が示すように、インダストリーは2015年下半期も好調を維持できる良い状況にあると言えるでしょう」。

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