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7月 5, 2017

2017年5月欧州新車販売台数レポート

  • 欧州新車販売台数は前年同月比7.5%増となり、142万台を記録。2008年以降、最大の売り上げを記録
  • 一方で3ドアハッチバック車の販売台数が、前年同月比で8.4%減。消費者心理の変化が顕著
  • モデル別販売台数では、Volkswagen Golfが前月に引き続き首位をキープ

欧州自動車産業は、先月の減少から再び成長に転換し、前年同月比7.5%増の142万台を記録。 これはリーマンショック前の2007年5月とほぼ同水準であり、この10年間では、最大の販売台数となっている。このポジティブな結果は、主要マーケットでの比較的安定した経済情勢や各メーカーの新技術を搭載したモデルの導入などが起因している。

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国別に注目すると、主要マーケットの1つであるドイツでは、12.9%の成長を見せている。また、イタリアでは7.6%増を記録し、欧州で2番目に大きな市場となった。その他、成長を見せた国には、スペイン、ポーランド、オランダ、オーストリア等があり、これらの国は2桁成長を実現している。

欧州市場全体が大きく成長しているのにも関わらず、Aセグメント(シティカー)、Bセグメント(サブコンパクト)、Cセグメント(コンパクト)といった小型車における3ドア車の販売台数が著しく減少しており、前年同月比で8.4%減の約76,800台となっている。一方、同セグメントの5ドアモデルについては、5.1%増の約594,300台を記録している。この3ドア車の販売台数低下は長期間継続しており、2009年には、年間245万台の販売があったが、2016年には約100万台減少している。各メーカーも3ドアモデルをラインナップから無くす傾向にあり、先日発表があった新型Volkswagen Poloも、3ドアバージョンをラインナップから外している。また、欧州の小型車ユーザーの消費者心理がより合理的になってきた事もこの減少に影響を与えている可能性がある。

 

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ブランド別では、VW Groupのマーケットシェアがこの数ヶ月減少していたが、今月は、Volkswagenの販売台数が +8.7%増加し、また、SkodaやSeatブランドの2桁成長も手伝い、拡大を見せている。日系ブランドの販売台数に注目すると、TOYOTAが前年同月比 +19.2%を記録しブランド別ランキング11位。続いてNISSANが +5.6% (13位)、SUZUKIが +24.5% (19位)、MAZDAが -2.6% (21位)、HONDAが -12.7% (23位)、MITSUBISHIが +3.2% (24位)であった。モデル別では、Volkswagen Golfが、販売台数を落としたものの、先月に引き続き首位となっている。

 

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また、セグメント別では、Volkswagen Tiguanの販売増等もあり、SUVが前年同月比 +22.9%と大幅に上昇し全体の28%を占め、市場全体の成長の原動力となった。日系ブランドでは、NISSAN QASHQAIが前年同月比 +10.3%のモデル別ランキング7位、TOYOTA YARISが18位(+5.5%)、またC-HRが 41位、AURIS42位(-20.7%)にランキングされている。

JATO Dynamics社のGlobal Automotive AnalystであるFelipe Munozは今月の欧州市場について次のように述べている。
「多くの主要市場で2桁成長が見られたこともあり、全体的には欧州市場は成長に転じていると言えるだろう。このような中で、3ドアハッチバック車の販売が減少を見せている。この6月に発表された新型Volkswagen Poloには、ラインナップから3ドアバージョンが外れており、この事は市場から3ドアハッチバック車が減少していく1つの初期症状かもしれない。この減少には複数の理由があるだろうが、主な要因は消費者心理の変化であると考えられる。消費者の中の、3ドアハッチバック車が”Sportiness”の象徴であるという考え方が間もなく過去のもになっていく中、各メーカーは顧客にとって意味の薄くなる選択肢を減らすため、今後3ドアハッチバック車の設定について再考していくだろう。」

以上

Download file: 2017年5月欧州新車販売台数.pdf