2022年1月欧州新車販売台数速報
2022年1月の欧州自動車市場は、1991年以来最悪の結果に
- 新車販売台数は2021年1月比で2.4%減となった
- SUVのマーケットシェアは過去最高の49.7%を記録
- ダチア サンデロ(Dacia Sandero)が販売首位
JATO Dynamicsが欧州26カ国で調査したデータによると、2022年1月の欧州自動車市場は新車販売台数が81万1,332台となり、1991年以来最悪の結果となったことが明らかになった。販売台数は、政府が課したロックダウン政策の影響で市場がまだ苦しんでいた2021年1月と比較して2.4%減少し、2020年1月と比較して28%も減少している。スウェーデンは、2020年1月と比較して販売台数が増加した唯一の市場であった。
JATO DynamicsのグローバルアナリストであるFelipe Munozは「当月は、新型コロナウイルスによる経済的な低迷のため消費者信頼感が低いままであり、生産は継続的な半導体不足による影響を受け続けた」と述べた。
SUVとEVが単独で成長をけん引
このような厳しい状況下でも、SUVとEVは再び市場を成長させる唯一のけん引役として浮上した。Munozは「これらのセグメントは、欧州の自動車メーカーにとって生命線であり、早く新車が欲しい消費者にとっては唯一の選択肢であった」と続けた。
当月40万2,900台のSUVが販売され、市場の49.7%を占めたことで、月次マーケットシェアは過去最高となった。従来のセグメントの大部分とは対照的に、販売台数は2021年1月と比較して11%増加したが、2020年1月と比較して10%減少している。コンパクトSUVが最も人気を集めたが、スモールSUV(19%増)、ミッドサイズSUV(50%増)も好調であった。
SUVセグメントをけん引したのはフォルクスワーゲングループで、マーケットシェアは24%、台数は7%増であった。成長をけん引したのは、クプラ フォーメンター(Cupra Formentor)、フォルクスワーゲン ID.4、アウディ Q3、シュコダ エンヤック(Skoda Enyaq)、新型フォルクスワーゲン タイゴ(Taigo)、フォルクスワーゲン ティグアン オールスペース、アウディ Q4である。SUVランキングでは、ステランティスが2位となったが、2020年1月の20%から当月は17%へとシェアを落とした。2020年1月から2022年1月にかけて、トヨタとヒュンダイキアが最もマーケットシェアを伸ばしている。
ピュアEV(BEV)とプラグイン・ハイブリッド車(PHEV)の販売台数は合計14万9,400台となり、2021年1月と比較すると36%増、2020年1月と比較すると105%増となった。この伸び率は、ここ数カ月間の伸びよりも鈍く、ディーゼル車の27%減、ガソリン車の1%減を相殺するには至らなかった。
BEVは2021年1月から販売を73%伸ばし、低公害車全体の54%を占め、同期間に販売が9%増となったPHEVのシェアを上回った。
サンデロが首位、ヤリス クロスが上昇
1月のモデル別ランキングでは、ダチア サンデロ(Dacia Sandero)が2021年比で10%増の17,558台を販売し、4位のフォルクスワーゲン ゴルフを抑えて首位となった。2021年は、ゴルフが2位のサンデロを抑えて首位だった。
トヨタ ヤリス クロスは、SUVランキングで引き続き順位を上げて3位となり、トヨタのラインナップの中で最も人気のある車種となった。また、フォード プーマ(Puma)とトヨタ カローラもトップ10入りを果たしている。
また、ヒュンダイ ツーソン(Hyundai Tucson)、ダチア ダスター(Dacia Duster)、ミニ ハッチ、キア スポーテージ(Kia Sportage)、トヨタ RAV4とC-HR、ヒュンダイ コナ(Hyundai Kona)、キア シード(Kia Ceed)も顕著な伸びを示している。
メーカー、モデル別の販売データ一覧はこちらからご覧ください(英文のみ)
https://www.jato.com/wp-content/uploads/JATO-European-Car-Registrations-January-2022-1.pdf