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2023年末には、テスラ モデルYが欧州で販売首位となる見込み

• 10月の欧州新車市場は、2桁成長の回復
• 欧州28ヵ国で電気自動車の普及が続く
• テスラ モデルY、年初来累計では首位を維持

JATO Dynamicsが調査した欧州28ヵ国のデータによると、2023年10月の販売台数は104万278台で、2022年10月の90万9,724台から14%増加した。特筆すべきは、欧州新車市場は15ヵ月連続で成長しており、年初来累計販売台数が前年同期比17%増の1,067万7,402台に達したことである。JATO DynamicsのグローバルアナリストであるFelipe Munozは「全体として、当月の販売台数は、欧州の自動車市場が今後数ヶ月の景気後退の見通しに対して、より回復力があり、より準備が整っていることを示唆している」と述べている。

10月に記録された伸びは、主にピュアEV（BEV）に対する需要の高まりに起因しており、この傾向は欧州の消費者が様々なインセンティブを利用できることに後押しされている。欧州全域でBEVの販売台数は30%増の15万7,957台となり、当月の販売台数全体の15%をBEVが占めた。2023年1月以降、欧州全域で160万台以上の電気自動車が販売されている。Munozは「電気自動車に対する需要の増加は、価格競争力や利用可能なモデルの多様性よりむしろ、提供される取引の幅や供給の増加に対する反応である」と付け加えた。

BEVの勢いは続く

10月のBEV販売台数の増加に重要な役割を果たしたのは、テスラ、BMWグループ、中国の上海汽車集団（SAIC）の3社であった。テスラは、モデルYとモデル3の好調な販売により、全モデルの販売台数が2022年10月から3倍に増加した。しかし、モデルラインアップが限定的であったため、テスラはフォルクスワーゲン、BMWグループ、ステランティスなどの大手自動車グループに追いつくことができなかった。当月、BEVセグメントの首位はフォルクスワーゲンであり、次いでBMWグループがi4とiX1の好調により53%増の1万8,297台を記録した。

MGと上汽大通（Maxus）を所有する中国の上海汽車集団（SAIC）は、66％増の8,841台を販売した。MG MG 4は目覚ましい成長を記録し、当月に最も人気のあった電動ハッチバックとして、また欧州で4番目に売れたBEVとして、ライバルであるフォルクスワーゲン ID.3の1.6倍の販売台数を記録している。Munozは「MG 4は、中国メーカーが価格だけでなくスペック面でも競争力を高めていることを示す好例である」と強調した。

ノルウェーがBEV普及の主要市場であることに変わりないものの、最も大きな成長が見られたのは他の地域であった。当月、BEVのシェアが最も増加したのはフィンランドで、2022年10月の20%から2023年10月には36%へとほぼ倍増した。フィンランドに次いで、ルクセンブルグが30%に、デンマークが22%から36%に増加している。対照的に、クロアチアのBEVシェアは、2022年10月の3.1%というすでに低いところから1.8%に低下し、アイルランドとドイツでもBEVのけん引力が失われた。

テスラ モデルY、欧州市場の覇権を握る

当月、欧州での販売台数においては首位を逃したが、テスラ モデルYは、現時点で2023年に最も人気のある車種であることに変わりはない。Munozは「テスラ モデルYは、電気自動車の購入を検討している人にとってのゴールドスタンダードである。SUVであり、競争力のある機能を備え、価格も下がり続けている」と続けた。

2023年1月から10月までの販売台数は20万9,000台を超え、2022年同時期の8万5,823台から増加し、モデルYは今年末までに欧州で最も販売台数の多い新車になる勢いだ。欧州ブランド以外のモデルが年間ランキングの首位に立つのはこれが初めてとなる。年初来のモデルYの販売台数は20万9,503台で、BEV販売全体の13%を占め、フォルクスワーゲンブランドのBEV販売台数16万5,594台、セアト（Seat）が全パワートレインで販売した20万6,100台をも上回った。

ダチア サンデロ（Dacia Sandero）は、当月の販売台数では首位だったが、年初来累計ではモデルYに1万3,000台以上の差を付けられて2位となっている。モデルYは、当月22位に落ち込んだものの、1万744台が販売され、前年同月比297%増加した。

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