2024年1月欧州新車販売台数速報
販売台数は増加したものの、1月のBEVシェアは低下
- 2024年1月は欧州自動車市場全体で好調な台数増を記録
- SUV人気が高まる一方、BEV市場はテスラが首位
- BEVの需要増にもかかわらず、マーケットシェアは2023年1月以来の低水準に
JATO Dynamicsの調査した欧州28か国のデータによると、2024年1月の新車販売台数は101万1,281台で、2023年1月と比較して11%増加した。この増加の大部分はピュアEV(BEV)とプラグイン・ハイブリッド車(PHEV)の需要によるものである。
当月はSUV、スポーツカー、コンパクトカーの人気が高まった。特にSUVは54.3万台が販売されており、欧州全体の販売台数の半分以上(52.8%)を占め、前年同月比1.2%ポイント上昇している。JATO DynamicsのグローバルアナリストであるFelipe Munozは「SUVは特定の国で新たなキャンペーンや規制の対象となっているが、欧州の消費者にとってSUVの輝きが失われていないことは明らかである」と述べた。
ジャガー・ランドローバーの1月の販売台数の97%はSUVであった。同様に、ニッサンの92%、吉利汽車(ボルボとポールスターを含む)の86%、中国ブランド(吉利汽車と上海汽車集団を除く)の79%をSUVが占めている。
一方、ミツビシとルノー・グループではSUVの人気は低く、それぞれ販売台数の31%と34%にとどまった。Felipe Munozは「JATOが分析した19の自動車グループのうち、14のグループでSUVが最も販売されたセグメントとなった。これは、SUVにとっても大きな功績である」と付け加えた。
フォルクスワーゲン・グループはSUVセグメント全体の23%のシェアを獲得して首位に立ったが、その販売台数は2023年1月と比較して4%減少した。一方、ステランティスは同期間に25%台数を伸ばし、SUV販売第2位となった。この実績は、プジョー 2008、オペル/ボクスホール モッカ(Opel/Vauxhall Mokka)、ジープ アベンジャー(Avenger)の販売台数が好調だったことによるものである。
当月に最も販売されたSUVのトップ10は、トヨタ ヤリスクロス、プジョー 2008、フォルクスワーゲンT-Roc、キア スポーテージ(Kia Sportage)、フォード プーマ(Puma)、ダチア ダスター(Dacia Duster)、ヒュンダイ ツーソン(Hyundai Tucson)、ニッサン キャシュカイ(Qashqai)、テスラ モデルY、フォルクスワーゲン ティグアンだった。
遅れをとった電気自動車
興味深いことに、電気自動車の販売台数は2023年1月から29%増加したが、当月の販売台数は12万536台で、マーケットシェアはわずか12%であった。これは、2023年1月の10%以来、最低を記録したことになる。
Felipe Munoz は「電気自動車への関心は、個人消費者やフリート企業の間で依然として高いものの、過去1年半に見られたような成長率をもはや享受していない。規制の不確実性とともに、手頃な価格のモデルが不足していることが、電気自動車が欧州全域で受け入れられることへ影響を与え続けていることは明らかだ」と述べた。
テスラは、2023年1月の10%から15%へシェアを拡大しており、BEV販売のブランドランキングで首位だった。これは当月と2023年を通して欧州で最も売れた電気自動車であるモデルYの成功によるものである。モデルYは、同ランキング2位となったBMWの全BEVモデルの販売台数の合計を上回った。モデル3も2023年1月から344%増加し、マーケットシェアを大きく伸ばした。
ボルボはEX30の好調によりランキング3位となり、ボルボのBEV販売の4分の1以上(28%)をEX30が占めた。アウディとメルセデスがこれに続き、台数が28%減少したフォルクスワーゲンを上回った。
フォルクスワーゲン・グループが電気自動車の販売台数で最多を記録し、王座を維持した。2023年1月の25%から低下しているが、当月の電気自動車市場でのシェアは18%だった。テスラ、ステランティスが僅差で続き、それぞれ15%、12.6%のシェアを占めている。
サンデロが首位、ゴルフが2位に浮上
ダチア サンデロ(Dacia Sandero)が再びモデルランキングの首位を獲得した。ルーマニアのルノー傘下ブランドであるこのBハッチバックは、イタリアとドイツ(それぞれ2位と3位の市場)で好調な成績を記録したため、20%増の2万5千台以上が販売された。
サンデロに続いたのはフォルクスワーゲン ゴルフで、その台数は前年同月比62%増加した。3大市場であるドイツ、英国、フランスで販売が好調に伸びたことが寄与している。
新しく投入されたモデルでは、ジープ アベンジャー(Avenger)が好調で、7,200台以上を記録した(このうちBEVモデルは22%を占めた)。ボルボ EX30は2,300台以上を販売し、ボルボで4番目に人気のモデルとなった。BYD Atto 3は1,257台、キア(Kia) EV9は1,242台を記録した。スマート #1は1,100台近くが販売され、フォーツーを上回った。ミツビシ コルトは1,074台、BMW i5は1,073台を販売している。
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