2022年2月欧州新車販売台数速報
2月の欧州のBEV販売台数は77%増に跳ね上がる
- 2月の販売台数は、BEVとPHEVが全体の20%を占めた
- テスラが18.1%のシェアを獲得し、BEV市場で首位
- SUVがBEV販売台数の51%を占める
欧州の新車市場は、2月も苦戦が続いた。ウクライナの地政学的状況は、半導体不足をさらに深刻化させるとともに、サプライチェーンの他の側面にも影響を及ぼしている。その結果、多くの自動車メーカーが生産停止を余儀なくされ、新車納入に遅延を起こした。
JATO Dynamicsが調査した欧州26カ国のデータによると、2022年2月の新車販売台数は前年同月比5.4%減の79万4,576台となった。年初来累計では3.8%減の160万7,321台である。JATO DynamicsのグローバルアナリストのFelipe Munozは「当月の結果は、2月としては過去40年間で最低の台数を記録した。この市場は歴史的に、台数が多くても利益が少ないことが特徴だったが、逆方向に動き始めている」と述べた。
BEVが低公害車需要をけん引
低公害車(BEV、PHEV、FCEV)の中では、ピュアEV(BEV)が全体の 56%を占めている。BEVの販売台数は2021年2月比で77%増の8万7,400台となった。一方、プラグイン・ハイブリッド車(PHEV)の台数はわずか6%増の6万7,400台だった。
新型車の登場と継続的なインセンティブによる支援が、BEVの消費者需要にはっきりと影響を与えた。SUVは、全セグメントで販売全体の49%を占め、引き続き成長の主要なけん引役となっている。Munozは「競争力のある電動 SUV の登場がなければ、BEV セグメントは欧州ではニッチな市場に留まるものと思われた。しかし、自動車メーカーの投資のおかげで、需要は成長を続けており、業界が現在直面している課題を相殺するのに役立っている」と続けた。
当月、BEV 販売台数の 51%を SUV が占めたが、これはSUV の販売全体に占める割合の 11%に過ぎず、電動 SUV がセグメント内で成長する大きな可能性が残されていることが示された。
テスラがBEV市場で首位
2月のBEV市場は、テスラが18.1%のシェアを獲得し、全ブランド合わせて17.6%を獲得したフォルクスワーゲングループを抑えて首位となった。ブランド別ランキングでは、ヒュンダイが2位、キアが3位となり、フォルクスワーゲンを上回っている。
テスラの結果は、2月のBEV販売首位となったモデル 3が引き続き人気を集めていることに加え、モデル YがBEV販売ランキングで2位を獲得したことが要因である。モデル3はスペイン、フランス、ドイツで、モデルYはオーストリア、ベルギー、スイス、デンマーク、英国でBEVとして販売首位となった。Munozは「当月のテスラの結果は、3月にこのブランドの月間新記録が見られる可能性が十分にあることを示唆している」と付け加えた。
フォルクスワーゲン ゴルフが販売首位に返り咲く
モデル別ランキングでは、フォルクスワーゲン ゴルフが2021年2月比6%減の1万5,000台超を売り上げ、首位に返り咲いた。上位10位内では、プジョー 3008とヒュンダイ ツーソン(Hyundai Tucson)のみが2月に成長を記録した。
トヨタ ヤリス クロス、テスラ モデル3、ミニ ハッチ、オペル/ボクスホール モッカ(Opel/Vauxhall Mokka)、ヒュンダイ コナ(Hyundai Kona)、キア スポーテージ(Kia Sportage)、テスラ モデルY、シトロエン C4も好調な成績を収めた。最新発売されたモデルでは、ルノー アルカナがルノーで3番目に売れたモデルとなり、ヒュンダイ IONIQ 5はフォルクスワーゲン ID.4とシュコダ エンヤック(Skoda Enyaq)を上回った。フォルクスワーゲン タイゴ(Taigo)が3,000台以上、キア EV6が2,000台以上販売された。
メーカー、モデル別の販売データ一覧はこちらからご覧ください(英文のみ)
https://www.jato.com/wp-content/uploads/JATO-European-Car-Registrations-February-2022.pdf