諸外国と比べ、日本ではOTAの搭載が依然として進んでいない。

  • OTAの搭載率は年々上がっており、韓国では2024年に80%を超えた。

  • 比較対象国の中で、日本は最も浸透率が低く、伸び率も最も低い。

  • 中国や韓国では、自国OEMがOTA対応車種を提供しているため、シェアが高い。

OTAOver-the-Air Updates)とは、車両がインターネットを介してアップデートを受信することができる機能である。JATOのデータ定義では、インフォテインメントシステムのソフトウェアアップデートを超える機能をOTAとしてコーディングしている(ただし地図アップデートは除外される)。

近年では、リコール対応、ADAS機能、バッテリーマネジメントシステムの更新にも活用されている。

世界的な傾向を把握するため、5か国の状況を見る。

 

 

Article 5 image


図表1:国別OTA搭載率(乗用車)

 

 

中国では、EVに特化したスタートアップ企業が多数競合しており、ソフトウェアを第一に据えた車両開発が行われている。NioORAXiaomiXpengは搭載率100%であり、その結果、国全体としてOTAの搭載率は高い。

韓国は、2024年時点で80%を超えており、最も高い搭載率を示している。理由のひとつとして、地場で人気の高い韓国車メーカーが、SDVSoftware-Defined Vehicle)を積極的に推進していることが挙げられる。

アメリカでは、テスラをはじめとするブランドが、市場競争の原理に基づいてOTAを導入しており、70%を超える水準で浸透している。

一方、ドイツでは、UNECE(国連欧州経済委員会)が定めるUN-R155/156など、世界で最も厳しいとされるサイバーセキュリティ規制が存在するため、導入は慎重なペースで進められている。その結果、搭載率は50%をやや上回る程度にとどまっている。

 

日本だけが、この3年間にわたり15%程度で推移しており、比較国の中で最も低い伸び率となっている。

考えられる要因としては、ドイツと同様に、欧州規格に倣う日本では、自動車のサイバーセキュリティ対策の実装に慎重にならざるを得ない点が挙げられる。加えて、内燃機関車の時代から使われてきた複数のECUが車両内に分散したアーキテクチャは、長年取引関係のあるサプライヤーが多く、業界構造の変革が難しいことも一因として指摘されている。

日本のOEMの中には、スズキやダイハツのようにOTAに対応していないメーカーも存在する。これらのメーカーでは、日本国内向けモデルにおいて、コネクト機能やディスプレイオーディオを省略することで、車両価格を抑えている例が多い。

今後は、日本の自動車メーカーも変化していく。特に、202512月に発売された新型トヨタ RAV4では、自社OSであるAreneが搭載された。ハードウェア販売に加え、ソフトウェアのサブスクリプションを通じて継続的な収益を確立し、稼働台数に基づいて利益を創出する新たなビジネスモデルが、いま生まれつつある。

 

お問い合わせはこちら

まずはご相談ください

貴社の現状や目標についてお聞かせください。貴社に合わせたサポートをご提案し、目標達成までお手伝いいたします。