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10月 5, 2022 by Terutaka Kawamura

2022年8月欧州新車販売台数速報

8月の欧州新車販売台数は、ガソリン車と中国製電気自動車がけん引し、今年最高の伸びを記録

 

  • 市場全体の販売台数は5%増と2022年初のプラス成長
  • ガソリン車がシェアを拡大し、EVの伸びは鈍化
  • 中国製EVの需要は20218月比で78%増となった
  • フォルクスワーゲン T-Roc2カ月連続で販売首位

 

減少が続いていた欧州の新車販売は、8月に増加へ転じた。JATO Dynamicsデータによると、欧州27カ国の20228月の販売台数は前年同月比3.5%増の739,037台となった。当月の成長にもかかわらず、年初来累計台数は12%減の7143,460台と前年度を下回る傾向が続いている。

欧州27カ国のうち、8月に減少したのは6カ国のみで、欧州主要5カ国(ドイツ、フランス、スペイン、イタリア、英国)は増加した。JATO DynamicsのグローバルアナリストであるFelipe Munozは「状況はまだ非常に複雑である。業界は部品不足への対応策を徐々に講じているが、消費者にとっては依然として新車待ちが長く、多くの人が中古車市場への移行を余儀なくされている」と述べている。

 

SUVBセグメントが成長をけん引

 

当月の欧州市場では、SUVが全体の48%近くを占めた。C-SUVB-SUVがそれぞれ18.9%18.3%のシェアを獲得し、Bセグメント(ハッチバックとセダン) 17.9%より多くを占めている。フォルクスワーゲングループは、SUVセグメントで28%のシェアを獲得し、同社の市場全体における26.5%のシェアを上回っている。フォルクスワーゲンは、8月のモデル別ランキング1位となったT-Rocを中心に、ティグアン、ID.4、タイゴ(Taigo)が好調で、台数を16%増加させることができた。

ステランティスは、SUV セグメントでフォルクスワーゲングループに追随したが、販売台数は 9%減となり、勢いを失った。プジョー 300839%減、オペル/ボクスホール グランドランド(Opel/Vauxhall Grandland)が29%減、シトロエン C5エアクロスが16%減、ジープ レネゲードが42%減、ジープ コンパスが53%減とそれぞれ販売台数を減らした。それでも、プジョー 200827%増、オペル/ボクスホール モッカ(Opel/Vauxhall Mokka)が25%増、オペル/ボクスホール クロスランド(Opel/Vauxhall Crossland)が21%増と好調のため、ステランティスはSUV市場で2位の地位を確保した。

一方、Bセグメントでは、ステランティスが32%のシェアを獲得し、首位となった。これは、プジョー 208が当月、欧州で2番目に売れたモデルであり、2022年通算で最も売れていることが理由である。

 

中国製BEVが増えつつある

 

8月は市場全体が伸びたものの、電気自動車(BEVおよびPHEV)の勢いは弱まった。ガソリン車の販売台数が6%増の422,659台となったのに対し、電動車両の販売台数はわずか3.2%増の157,075台となっている。ピュアEVBEV)は11%増で、EV需要全体の61%を占めた。

興味深いことに、8月に販売されたBEV全体の20%が中国製であり、28%のドイツに次いで生産国として2番目に多い結果となった。20218月と比較すると、中国製BEVの販売台数は78%も増加し、欧州で生産されたものは17%の増加に留まった。Munozは「中国製EVの欧州での急成長は、遅かれ早かれ、世界市場で重要な役割を果たすことになることを示す初期の指標である」と付け加えた。注目すべきは、中国製車両のほとんどが、中国の自動車メーカーによって生産されていないことである。そのほぼ半数がテスラで、ダチア スプリング(Dacia Spring)やMGの数車種が台数へ貢献している。当月欧州で販売された中国製EVのうち、中国ブランドはわずか18%だった。

 

フォルクスワーゲン T-Rocが再び販売首位に

 

フォルクスワーゲンT-Rocは、2ヶ月連続でモデル別販売ランキングの首位に立ち、当月は43%増の約16,000台を販売した。この結果、T-Roc は累計ランキングでフォルクスワーゲン ゴルフを上回り、欧州で最も人気のある SUV の地位を確保した。

 

その他、8月に好調だったのは、プジョー 208、シトロエン C3、オペル/ボクスホール コルサ(Opel/Vauxhall Corsa)などであった。キア スポーテージ(Kia Sportage)とフォード クーガ(Kuga)の販売台数はそれぞれ63%59%増加し、テスラ モデル Yの販売台数はほぼ2倍になり、当月に最も売れたBEVとなった。プジョーは3086,275台販売し、20218月の1,980台から大幅に増加した。

最近発売されたモデルでは、フォルクスワーゲン タイゴ(Taigo)が5,400台強、ダチア ジョガー(Jogger)が5,000台強の販売となっている。クプラ ボーン(Cupra Born)の販売台数は2,838台、キア EV62,227台となった。

 

 

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