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3月 3, 2023 by Terutaka Kawamura

2023年1月欧州新車販売台数速報

1月の欧州新車市場は、SUVのシェアが過去最高を記録し、成長へ

 

  • 1月の欧州新車市場は前年同月比11%増となった
  • SUVのシェアは過去最高を記録
  • BEV需要は、伸び悩むも堅調に推移
  • ダチア サンデロ(Dacia Sandero)がモデル別ランキングで首位を獲得

 

20231月の欧州新車市場は、前年同月比11%増の907,000台を記録した。この結果は、欧州経済がパンデミックから回復し始め、業界が世界的な半導体不足の最悪の事態に直面していた20211月と比べても改善を示している。

 

このような進展にもかかわらず、依然として新型コロナウイルス流行前の水準に及ばない。販売台数は、20202月に113万台、20192月に122万台であった。JATO DynamicsのグローバルアナリストであるFelipe Munozは「ポジティブな兆候が見られるが、新型コロナウイルス以前の水準まで市場を戻すには十分ではない。現実には、あの水準の販売台数はもう見られないかもしれない」と述べている。

 

SUVが成長をけん引

 

当月の販売台数は、SUVによって大きく伸びた。JATO Dynamicsのデータによると、すべてのSUVタイプ(スモール、コンパクト、ミッドサイズ、ラグジュアリー)は合計464,900台を売り上げ、20221月と比較して14%増加した。マーケットシェアは51.3%で、欧州の新車販売台数の半分以上をSUVが占める初めての事例となった。

 

Munozは「最近のEVブームはSUVの注目を奪ってきたが、世界中の消費者に人気があるため、業界の緩やかな回復を促進する重要な役割を果たし続けている」と続けた。SUVの販売台数のうち、コンパクトSUVC-SUV)がほぼ半分を占め、最も小さいセグメント(B-SUV)は全体の38%を占めた。

 

フォルクスワーゲングループが129,500台(33%増)とSUVセグメントで首位となり、ステランティスが62,800台(7%減)、ヒュンダイキアが46,200台(5%減)、トヨタが38,300台(11%増)、ルノーグループが34,300台(20%増)で続いた。中国ブランドは12,100台(109%増)であった。

BEVの成長率は鈍化

 

ピュアEVBEV)の販売台数は、14%増の92,700台超となったが、2022年と比較するとその伸びは鈍化している。Munozは「自動車メーカーからの手頃な価格の選択肢や、欧州各国の政府によるもっと魅力的なインセンティブがなければ、需要がピークに達するのは近いかもしれない」と付け加えた。

 

例年とは異なり、テスラは四半期の最初の1ヶ月間、1,018%増の約9,400台を販売し、好調に推移した。1月に欧州で最も売れたBEVであるモデルYとモデル3が好調であったことに加え、モデルSとモデルXを再び導入することもできた。

 

テスラはフォルクスワーゲンをわずか10台上回ったが、フォルクスワーゲンの台数増は29%とかなり低い。姉妹ブランドのアウディは7%増の6,400台で続いたが、ライバルのBMW28%増)とメルセデス(16%増)には及ばなかった。

 

中国資本のMGは、キア、フィアット、シュコダ(Skoda)、オペル/ボクスホール(Opel/Vauxhall)といった主要ブランドよりも多くの電気自動車を販売している。その他の注目すべき中国ブランドは、比亜迪汽車(BYD)の139台、愛馳汽車(Aiways)の82台、東風小康汽車(DFSK)の50台、欧拉(ORA)の23台、上海蔚来汽車(NIO)の20台である。

 

ダチア サンデロ(Dacia Sandero)が再び販売首位

 

2022年に続き、当月のモデル別ランキングでは、ダチア サンデロ(Dacia Sandero)が、フランスで首位、イタリアで第3位となるほどの旺盛な需要を受け、欧州全体でも首位となった。また、ダチア ダスター(Dacia Duster)がトップ10入りし、ブランド別ランキングで見て、ダチアはルノーを上回る販売台数を記録した。

トヨタのヤリスとヤリスクロスは、それぞれ3番目と4番目に販売台数の多いモデルであった。フィアット 500は、イタリアでのBEV需要の低迷により、電気自動車バージョンの販売台数が1%減少したものの、再び好調な結果となった。

 

BEVランキングでは、テスラ モデル Y、ダチア スプリング(Dacia Spring)、フォルクスワーゲン ID.3ID.4、フィアット 500が上位を占め、ボルボ XC40、ルノー メガーヌも台数の大幅増によりトップ10入りを果たしている。

 

新型となったモデルでは、ダチア ジョガー(Dacia Jogger)が6,939台、ルノー オーストラル(Austral)が3,629台、トヨタ カローラクロスが3,483台、MG MG42,285台、アルファロメオ トナーレが2,169台、マツダ CX-601,398台、プジョー 4081,308台、ニッサン エクストレイルが1,296台販売された。

 

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