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2月 15, 2023 by Terutaka Kawamura

2022年欧州EV販売台数総括

2022年、フォルクスワーゲンが欧州の電気自動車市場で首位に

  • BEVの販売台数は2021年比で29%増加
  • モデル別ランキングではテスラ モデルYが首位
  • 内燃機関(ICE)車は市場全体の51%を占める

2022年の欧州における電動化車両(BEVPHEVEREVFCEV)の販売台数は、合計259万台となり、新記録を達成した。前年比では15%、2020年比では92%の台数増となっている。新型コロナウイルスが欧州市場を襲う前の2019年の販売台数は561,000台だったが、マーケットシェアはそのときの3.6%から23%に拡大し、台数は362%も増加した。

 

JATO DynamicsのグローバルアナリストであるFelipe Munozは「EV需要の急増は、政府のインセンティブによる継続的な支援と、商品認知度の向上による消費者心理の変化によるものである」と述べている。

BEVが成長をけん引

2022年のEV販売台数は、BEVが全体の60%を占めた。PHEV(プラグイン・ハイブリッド車)の販売台数が減少する一方で、BEV2021年から2022年にかけて29%増の156万台を記録し、欧州市場の記録を更新した。昨年、欧州で販売された新車100台のうち、ほぼ14台が純粋な電気パワートレインを搭載している。

BEVのマーケットシェアが高い国は、ノルウェー(79%)、スウェーデン(33%)、オランダ(23%)、デンマーク(21%)と続き、フィンランド、スイス、ドイツがそれぞれ18%であった。シェアの増減を見ると、ノルウェー(+16%ポイント)、スウェーデン(+14%ポイント)、フィンランド(+7.5%ポイント)、デンマーク(+7.3%ポイント)、アイルランド(+6.7%ポイント)が伸びを示している。2021年から2022年にかけて減少した市場は、イタリア(-0.9%ポイント)のみであった。

フォルクスワーゲングループがBEV市場で首位

2022年のBEV市場は、フォルクスワーゲングループが販売台数349,200台、マーケットシェア22.4%で首位であった。これは、フォルクスワーゲンが提供する電気SUVとクプラ ボーン(Cupra Born)への強い需要によるものである。しかし、ID.3の不調とe-upの生産中止により、シェアを伸ばすことはできなかった。

 

2022年、フォルクスワーゲンはテスラ、ステランティス、BMWグループ、浙江吉利控股集団(Geely Group)、複数の中国自動車メーカーにほぼ3%ポイントのマーケットシェアを奪われた。2021年に欧州で最も売れたBEVであるモデル3の販売台数が35%減少したにもかかわらず、テスラは38%の台数増となり、ステランティスを上回って、メーカー別BEVランキングで2位を確保した。これは、欧州の9カ国でモデル別ランキングの首位を獲得したモデルYのおかげであり、モデル33カ国で首位を獲得した。

ステランティスもフィアット500とオペル/ボクスホール モッカ(Opel/Vauxhall Mokka)の成績によりシェアを拡大した。BWMグループは、i4iXの強い需要の結果、台数が75%増加し、スマートの減少の影響を受けたライバルのメルセデスベンツを上回った。

 

ボルボとポールスターを傘下にもつ浙江吉利控股集団(Geely Group)と中国のメーカーは、2021年から2022年にかけてBEV販売台数が2倍以上になった。吉利の結果は、スウェーデン、ノルウェー、ドイツ、英国におけるポールスター 2、ボルボ XC40、ボルボ C40の販売が好調であったためである。欧州に進出している中国の自動車メーカーのうち、新車販売台数の大半(80%)を占めたのはMGで、111%増の49,200台となった。

最も売れているBEV

BEVのモデル別ランキングでは、テスラがモデルYとモデル3で首位を獲得した。モデルYの販売台数は137,000台を超えた一方で、モデル3の販売台数は2021年の141,400台から91,500台へ減っている。モデルYの成功は、BEV販売台数全体の51%を占めるSUVの人気上昇により、モデル3を犠牲にしてもたらされたものである。フォルクスワーゲンのID.3(ハッチバック)とID.4SUV)の場合も同じ傾向が見られ、ID.4の販売台数が23%増加したのに対し、ID.324%減少した。

フィアット 500は、最も大きな市場であるドイツとフランスでの需要により、販売台数を49%増やし、モデル別ランキングで4位を確保した。500BEVバージョンは、モデル全体の37%を占めている。

 

その他好調であったモデルは;ダチア スプリング(Dacia Spring)が76%増、ヒュンダイ アイオニック5Hyundai IONIQ 5)が73%増、ポールスター 266%増。最新発売のモデルでは、ルノー メガーヌのBEVバージョンが32,600台(同モデルの46%)、クプラ ボーン(Cupra Born)が32,400台、BMW i425,500台、フォルクスワーゲン ID.521,100台、ボルボ C4018,100台、メルセデス EQB16,400台販売された。

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