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2014年欧州CO2平均排出量分析

  • 欧州23ヶ国の新車のCO2平均排出量が前年から2.8%改善の123.3g/kmに。
  • 最もCO2平均排出量が少ない国はオランダで、106.8g/kmを記録。
  • ノルウェーではEVの販売を促進する優遇措置が影響し改善率10.4%と23ヶ国中トップを記録。
  • トップ20ブランド中18ブランドで平均CO2排出量が前年より改善。
  • Renaultが108.4g/kmを達成し、欧州で最もCO2平均排出量の低いブランドに*。
  • 最も改善率が高かったブランドはNissanの11.9%

*販売台数TOP20ブランド中

これらはJATOによる欧州23ヶ国を対象とした、2014年中に販売された新車のCO2排出量に関する最新分析レポートのリリースに先駆けて発表されたものです。

1. 欧州全体、国別動向

CO2

2014年にJATOが調査した欧州23ヶ国全てにおいて、新車のCO2平均排出量が2013年と比べて改善しました。低燃費車の販売を促進する税制を2013年に導入したオランダが、昨年に引き続き欧州で最もCO2平均排出量が少ない国となり、その排出量は106.8g/kmでした。
一方、改善率が最も高かった国がノルウェーでした。同国ではEVの販売を促進する減税策などの優遇措置の効果もあって改善率は10.4%となり、CO2平均排出量は110.4g/kmを記録しました。EV購入の各種優遇措置に助けられ、同国 新車市場におけるEV自動車のマーケットシェアは、欧州全体のEV自動車のシェアが0.45%に留まる中、12.4%に達しています。

 

ギリシャとポルトガルが、オランダに続きCO2平均排出量110g/kmを下回りました。また調査対象国23ヶ国中10ヶ国でCO2平均排出量が120g/kmを下回りました。一方で調査対象国中、CO2平均排出量が140g/kmを上回った国はスイスだけでしたが、CO2削減のトレンドを見る限り、同国も2015年にはCO2平均排出量を140g/km未満に抑制するものと見込まれます。 JATO Dynamics社のリサーチ部門バイスプレジデントであるブライアン・ウォルターズは、次のように述べています。
「欧州各国において、政府主導による低燃費車の販売促進策という面では、ノルウェーを例外として、昨年は目立った施策は見られませんでした。これはすなわち、2013年比でマイナス2.8%となったCO2平均排出量の削減は、一時的な政策による効果ではなく、各国の継続的な税制面での取り組みや、自動車メーカーによる自主的な燃費効率改善と性能向上への努力が結果として表れてきたものであるとJATOでは分析しています」。

2. セグメント別動向

CO2.1

全てのセグメントにおいて、2014年のCO2平均排出量が前年から改善しています。SUVセグメントでは、全セグメントを通じ最も高い、前年比6.4g/km削減となる152.1g/kmを記録しました。これには、同セグメントの販売ランキング上位に位置する各モデルの改良や、例えばBMW X3、Honda CR-V、Volvo XC60のようにパワートレインを刷新したモデル、また好調な販売を記録しているMitsubishi Outlander プラグインハイブリッドのシェアの拡大などが大きく貢献しています。またExecutiveセグメント全体も前年から4.3%改善し、137.3g/kmを記録しました。これは、セグメント全体の2.4%のシェアを占めたTesla Model Sの好調な販売が寄与しています。

3. ブランド別動向

CO2.2

Renaultの2014年CO2平均排出量は108.4g/kmとなり、2013年から1.6%改善し、昨年に引き続き販売台数トップ20ブランド中、CO2平均排出量が最も少ないブランドとなりました。これには同ブランドが販売した約11,000台の電気自動車Zoeも貢献していますが、最大の要因はClio、Capturの0.9リッター・ガソリンターボ車、1.5リッター・ディーゼルターボ車、Meganeの1.5リッター・ディーゼル車といった新たに追加された優れた低燃費バージョンの導入が、ブランド全体のCO2平均排出量低減に大きく寄与しました。

 

続いてPeugeotが109.4g/kmを記録し、2013年に引き続き2位を維持しました。同社の108や208が、スモールモデルに期待される低燃費を実現したこともさることながら、セグメント平均を大きく下回るCO2平均排出量102.5g/kmを達成した、C-セグメントの新型308の投入が貢献しています。Citroenは111.4g/kmを記録し、3位となりました。これは新型1.2リッター・ターボエンジンを搭載したC4や、第2世代へとモデルチェンジしたC1、またCO2平均排出量96.9g/kmを記録した新型C4 Cactusの良好なセールスによるものです。Toyotaは前年からランクを1つ下げ4位となったものの、112.5g/kmを記録しました。これはハイブリッドシステム搭載車両の好調な販売によるものです。特にAurisでは、モデル全体の販売台数の半分以上をハイブリッド車が占めており、Yarisでも1/3以上の販売台数をハイブリッド車が占めるまでになりました。

 

Nissanは前年から11.9%改善の113.8g/kmを記録し、5位にランクインしています。同ブランドは2014年、欧州において最もCO2排出量を低減した量販車ブランドとなりました。最大の要因はQashqai、Pulsar、Note、X-trailといった数多くの新型車の、特にパワートレイン改良の効果であり、フェイスリフトされたクロスオーバー車、Jukeもその恩恵を受けました。

 

ブライアン・ウォルターズは次のように続けています。

 

過去1年以内に大きくCO2平均排出量を低減した自動車メーカーでは、新型車の投入、または小排気量ターボエンジンの導入、もしくはその両方を取り入れています。このことは各ブランドの、サステナビリティ(持続可能性)を追求していくという決意が、新型車開発に象徴的に現れたものと言えるでしょう」。

 

※追記 本リリースにおける分析内容は、JATO Dynamics社の “欧州2014年CO2排出量分析”レポートの一部内容を抜粋したものです。当レポートは欧州23ヶ国を対象に、国、セグメント、ブランドごとのCO2平均排出量を

 

詳細に示し、環境技術や各国のCO2排出量に応じた課税制度の効果について綿密な分析を行っています。

 

当レポートの完成版は2015年5月下旬にリリース予定です。(但し英語版のみ)
JATO社Webサイト:https://www.jato.com/
本件に対するお問い合わせは下記までお願いします。
JATO Japan Limited
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