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9月 12, 2017

In Focus: 欧州市場ディーゼル燃料車販売トレンド

 

ヨーロッパでのディーゼル車の販売が低迷している。2017年上半期の販売台数は、前年同期比4.3%減の約380万台となった。また、燃料別シェアでは45.3%で、この10年で最低であった2009年の44.4%に次ぐ低さとなっており、さらに前年度の2016年より4.1%低下し、2011年からは9.2%低下している。

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2015年9月の”the dieselgate scandal (ディーゼルゲート事件)”は、注目を集めた出来事ではあったが、この時期からディーゼル車のシェアが減少したわけではなく、ディーゼル車からガソリン、AFV (Alternative fuel vehicle: 代替燃料車) へのシフトは2012年から進んでいる。その理由として、ディーゼル車の特徴であった燃費、排出ガス、各種インセンティブの優位性が薄まってきている事があげられる。すでにガソリン車はディーゼル車と同程度に低燃費であり、電気自動車やハイブリッド車は各国政府や自動車メーカーの積極的な取り組みにより、様々なインセンティブが設けられている。対照的に、ディーゼル車の販売は、今後いくつかのヨーロッパの国で禁止される傾向にある。

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このように考えると、現在ディーゼル燃料車の販売が芳しくないのも驚きではない。ガソリン車の需要は年々上昇しており、2017年上半期の販売は、2009年以降で初めてディーゼル車を上回った。ガソリン車はより低燃費、低公害となり、ヨーロッパ市場で約半数を占める小型車、コンパクト車ではガソリン車のラインナップが多くを占めている。

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但し、ヨーロッパの自動車市場で主な成長の要因となっているSUVでは主にディーゼル車が採用されているため、シェアは落としているものの、本市場においてディーゼル車の重要性は高い。SUVセグメントではディーゼル率が58%となっており、コンパクトカーやMPVといった主要セグメントや、ラグジュアリーセダンよりも高い数値になっている。

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ディーゼル車がシェアを落とす一方でAFVが成長を続けており、現時点ではまだシェアは低いが、急速にその存在感を上昇させている。それは各国政府やメーカーによるインセンティブだけが理由ではなく、バッテリー品質の向上や、低価格化、商品ラインナップの拡大もその成長の理由といえる。2008年上半期では、AFVのシェアが0.4%であったが、今期は、4.2%まで上昇した。トヨタのハイブリッド車がこの成長を後押ししており、2017年上半期のAFV販売の55%がトヨタグループによるものとなっている。

 

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ディーゼル車の減少は自動車メーカーにとっては、大きな課題となっておりFCA、ダイムラー、ボルボを除く全てのメーカーで今期はディーゼル車の販売が前年同期比で減少している。ディーゼル車市場で25%のシェアを保持し、販売台数トップであるフォルクスワーゲングループが、販売台数を6.4%減少させ、続くルノーニッサン、PSA、BMWグループがそれぞれ4.6%、8.5%、5.0%の減少となっている。

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欧州市場におけるディーゼル車について今後の見通しはポジティブではない。ヨーロッパでは引き続きハイブリッド車や電気自動車の需要が高まる一方で、ディーゼル車のシェアが減少され、ガソリン車はシェアが安定する事が予想される。また現在欧州で人気の高いSUVにハイブリッド車や電気自動車がより多く採用されれば、この傾向をさらに加速するだろう。

以上