Press Releases

Media Archive | Press Releases
9月 9, 2019 by Terutaka Kawamura

2019年7月欧州新車販売台数速報

7月のバッテリー電気自動車販売は2倍に

 欧州自動車市場の成長戻る

  • 2007年来で7月期最高の台数となる133万台を記録
  • 7月販売台数は2%増加するも、2019年の累計販売台数は2.5%
  • SUVセグメントは市場の38%を占め、7月期における最高のシェアを記録

続く先行き不透明な経済と、消費者信頼感の減少にも関わらず、7月期の欧州自動車市場における販売台数は1.2%増の1,325,600台と成長を記録した。わずかな成長ではあるが、6月に見られた7.9%の減少と比較すると著しい向上と言える。しかしながら、現時点における2019年の累計販売台数は9,723,400台と、前年同期比2.5%減であるため、これまでの不調を打ち消すには不十分な結果である。

前年同月比 欧州市場自動車販売台数は1.2%増えた

「欧州には不透明感が広がっている。市場は何年も成長を続けてきたが、もし再びドイツ経済が成長しなければ、市場はこれからも長引く、減速の兆しを見せるであろう」と、JATOグローバルアナリストのFelipe Munozは説明する。7月の成長は、中規模および小規模の市場がけん引したため、JATOが調査を行っている27か国中14か国で成長が見られた。繰り返しになるが、この状況は年次累計で見れば楽観的なものではない。これまでのところ、成長を記録しているのは10カ国のみである。

7月のBEV(バッテリーEV)、PHEV(プラグイン・ハイブリッド)、HEV(ハイブリッド) とその他電動車の販売台数は合計96,600台で、20187月と比較すると29%増となった。燃料タイプ別で見ると、電動車のマーケットシェアは5.8%から7.4%に拡大している。「市場全体からすれば、依然として少ない部分を占めているのは事実だが、自動車市場が困難な時代において、電動車は確実に明るい材料となってきている」とMunozは解説する。

国別自動車販売台数 前年同月比増減ランキング

電動車のマーケットシェア拡大は、98%増の23,200台と、並外れた結果を残したピュアEV(バッテリーEV)によってもたらされた。その成長をけん引したのは、販売で首位に立つテスラ、そしてルノーである。ルノーは当月、ゾエ(Zoe)がピュアEVの販売首位となったことを受け、台数を103%伸ばした。他に目立つのは、64%増のフォルクスワーゲン、334%増のヒュンダイ(Hyundai)、そしてe-tron1,735台を売り上げたアウディである。

ハイブリッド車もまた、27%増となる56,800台を売り上げ、7月に好調な結果を残した。いつも通り、トヨタとレクサスが上位を独占したが、メルセデスが3位となり、レンジローバー・イヴォークが、当月HEV(ハイブリッド車)販売5位のモデルとなるなど、注目すべき結果もあった。

欧州23カ国 燃料タイプ別の販売構成比

7月にSUVは合計505,900 台を販売し、前年同月比8.7%増となった。この結果は、同セグメントの成長が減速基調に留まる恐れを生んでおり、今年の6月にこれまでの最低水準の成長率を記録(参考リンク)して以来、懸念となっている。当月の増加も、20187月の35%増、20177月の18%増、20167月の12%増と比較すれば、いっそう少ないことが分かる。

欧州27カ国セグメント別マーケットシェア 前年同月比

SUVセグメントをけん引したのは、フォルクスワーゲン・グループで、全体の25.7%のシェアを獲得して、販売台数を25%増やした。ティークロス(T-Cross)が12,600台を売り上げ、欧州のスモールSUV販売5位となったことが貢献している。それ以外には、ティーロック(T-Roc)が20%増、カロック(Karoq)が27%増、Q334%増、コディアック (Kodiaq)が59%増となり、成長を後押しした。

フォルクスワーゲン・グループは、販売上位10位にフォルクスワーゲン・ブランドから4モデルを送り出し、モデル別でもランキングを独占した。欧州販売はまたしても、ゴルフ、ポロが上位を占めた格好だ。当月最も意外な結果を残したのは、ダチア サンデロ(Dacia Sandero)である。モデル別欧州販売ランキングで3位となり、ルーマニア製のモデルとしてこれまでにない結果を収めた。オペル コルサ(Opel Corsa)も、ドイツでの82%増、スペインでの153%増に後押しされ、販売台数を28%伸ばした。

欧州27カ国 メーカー別モデル別販売台数ランキング 

その他、7月に堅調な結果を残したのは以下のモデルである。メルセデス Aクラス、ミニ、シュコダ カロック(Skoda Karoq)、アウディ Q3、シュコダ コディアック(Skoda Kodiaq)、スズキ ビターラ(Vitara)、ジープ レネゲード、トヨタ RAV4、メルセデス Bクラス、ヒュンダイ コナ(Hyundai Kona)。コナ(Kona)の販売は4分の1が電動モデルであった。

最近発表された新型車の販売台数は以下の通りである。フォルクスワーゲン ティークロス(T-Cross)が12,600台、BMW シリーズ38,300台、シトロエン C5エアクロスが8,100台、プジョー リフター(Rifter)が5,000台、プジョー 5084,300台、セアト タラッコ(Seat Tarraco)が4,100台、ランドローバー イヴォークが3,900台、シュコダ スカーラ(Skoda Scala)が3,700台、テスラ モデル33,200台、メルセデス GLE2,500台、BMW X42,000台、スズキ ジムニーが1,800台、DS 3 クロスバックが1,800台、アウディ e-tron1,800台、レクサス UX1,700台。

Download file: July-2019-Europe-Reg-Release-JP.pdf