2019年10月欧州新車販売台数速報
2009年来で最高の10月期を記録
SUVのマーケットシェアは40%に
- 欧州自動車市場は、8%増の121万台
- SUVの成長が進み、マーケットシェアは40%に
- 消費者のディーゼル離れは継続。ガソリン車・電動車への転換が続く
2019年10月の欧州新車販売台数は、継続する成長により1,208,700台となり、ここ10年における10月期で最も多い台数を記録した。成長の理由には、昨年10月のWLTP(乗用車等の国際調和排出ガス・燃費試験法)導入の影響による台数減少が幾分あるだろう。総体的には、この力強い成長が、年初来からの累計販売台数をも改善したが、その台数は13,284,600台と、前年の同期間と比較して0.8%減少している。JATOグローバルアナリストのFelipe Munozは「現在の欧州自動車市場は、無数の困難と直面しているものの、WLTPという業界にとって最大の脅威ですら、売上に大した影響を及ぼしていない。少なくとも、今見えている限りでは」と語る。
当月はJATOが調査している27市場中、17市場において2桁台の伸びを示した。とりわけドイツ市場は好調で、販売は13%増となった。Munozは「もしドイツがこのまま景気後退を回避し続けられるのであれば、基幹である自動車産業は、当初予想されたほどの悪い結果にはならないかもしれない」と続ける。
10月の好調な結果は、SUVと電動車の消費者需要の高まりによるものと言えそうだ。特にSUVは、10月の重要な成長要因である。当月の欧州におけるSUV販売台数は484,400台と、昨年同期比22%増となり、同セグメントのマーケットシェアは全体の40%を記録した。「欧州はSUVの市場浸透という点において、徐々に米国や中国に比肩しつつある。その主な理由は、スモール/コンパクトSUVがヨーロッパ大陸で絶大な人気を集めており、SUV販売台数の79%を占めていることだ」とMunozは語る。
電動車の勢いは当月も衰えず、市場全体を底上げした。PHEV(プラグイン・ハイブリッド)は79%増、ピュアEV(バッテリーEV)は32%増、HEV(ハイブリッド)は29%増と、それぞれ販売増を示している。欧州では、昨年10月より41%も多い115,700台の電動車が販売され、全乗用車の約10%を占める結果となった。「高額であるにもかかわらず、消費者の関心が電動車にあることは明らかだ。最新モデルの売れ行きも好調である」とMunozは説明する。
だが、市場の成長によって全ての主要自動車メーカーが恩恵を受けた訳ではなく、フォルクスワーゲングループが一人勝ちした格好だ。同グループは、マーケットシェアを2018年10月の20.7%から、25.1%と4.4%拡大させ、全メーカーの中で最も大きな伸び率を示した。ヒュンダイ・キア、トヨタ、ルノー・ニッサン、マツダ、テスラもマーケットシェアを広げているが、すべて合わせても、シェア率を1%も伸ばしていない。「フォルクスワーゲングループは、SUVの快進撃のおかげで、より強固な地位を獲得した。事実、現在欧州で登録される車両の10台に1台がフォルクスワーゲングループのSUVである」とMunozは締めくくった。
一方、注目に値する結果は以下の通りである。オペル/ボクスホール(Opel/Vauxhall)とフィアットが販売上位10位の圏外に;ボルボがニッサンを、ポルシェがホンダを販売台数で上回った;テスラは129%増となる、2,093台を売り上げた。
モデル別ランキングでは、フォルクスワーゲン ゴルフが販売首位となり、ティグアンがSUVとして最も売れたモデルとなった。その他、目覚ましい成績を残したのは;トヨタ 新型カローラ、ルノー メガーヌの43%増、ヒュンダイ コナ(Kona)の37%増、セアト アローナ(Seat Arona)の30%増、ルノー カジャーの58%増、シュコダ コディアック(Skoda Kodiaq)の181%増、トヨタ RAV4の39%増、アウディ A4の225%増、アウディ A6の50%増、アウディ Q2の63%増であった。
新たに市場投入されたモデルの結果は以下の通りである。フォルクスワーゲン ティークロスが13,557台、シトロエン C5エアクロスが8,461台、シュコダ スカーラ(Skoda Scala)が5,986台、マツダ CX-30が3,180台、セアト タラッコ(Seat Tarraco)が2,986台、キア エクシード(Kia Xceed)が2,797台、DS DS3クロスバックが2,370台、シュコダ カミック(Skoda Kamiq)が2,104台。
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