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12月 27, 2019 by Terutaka Kawamura

2019年12月米国市場レポート

車両価格は上昇しているものの

アメリカ人のピックアップ信仰は依然根強い

  • 2010年から2019年までの期間に、ピックアップは米国における新車販売全体の6%を占めた
  • 過去10年間、米国で最も売れた車両はフォード F-150で、520万台以上を販売
  • 設計が進化し、価格も上昇しているが、ピックアップの需要は高まっている

多くの人が米国自動車市場を思い浮かべたとき、まず頭に浮かぶのは、ピックアップトラックだろう。2010年から20199月までの期間に、米国で発売された新車の内、14.6%がピックアップトラックだった。対照的に、世界全体で見た場合は、同期間でおよそ3.7%と、圧倒的に小さなマーケットシェアを占めるに留まる。

ボディタイプ別 米国市場販売構成比 2010-2019年

過去10年間において、米国でのピックアップの売り上げは2,260万台を超えており、ロシア(1,910万台)、カナダ(1,780万台)、イタリア(1,700万台)での新車販売台数よりも多くを記録している。この期間、フォード F-150は米国での最多販売モデルとして、520万台以上を売り上げた。これは、F-150自体をひとつの自動車会社として見た場合でも、強力な結果である。キア(540万台)、スバル(490万台)の間へ位置する、米国9位のメーカーであったことになるからだ。しかしながら、米国での売り上げが好調なのと同時に、カナダでもピックアップのマーケットシェアは広がり、同期間に米国よりも高い18.2%を記録している。

JATOのセールス&マーケティング部門ヴァイス・プレジデントであるDonald Smithは「アメリカ人は、労働のための車を、流行に乗った、高級志向の製品へと変身させることに成功し、これまでになかった多くの顧客を惹きつけた。最近の、テスラ・サイバートラック(Cybertruck)は、その良い例である。価格が上昇しようとも、SUVやトラックといった人気の高いサブセクターの新車に、新しい魅力的なアプリケーションや装備が搭載され続ければ、消費者は喜んでお金を支払うだろう」と述べている。

 

アメリカ人のピックアップ信仰は、この10年間に高級路線が進み、価格が高額になっているにも関わらず、ずっと根強かった。例を挙げると、2019モデルイヤーのピックアップの車両価格は、平均44,039米ドル*1 となり、2010年比で35.1%上昇した。対照的に、SUVは最も売れているボディタイプだが、値上がりは16.4%に留まっている。

車両に搭載される製品にも数々の変更があった。ブランド・オーディオシステム(BoseSonyharman/kardon等)の人気は、ピックアップでは著しく伸びており、2019年モデルは、2010年時の5.1%から大幅増となる、18%*2 に装備されている。同様に、レザーシートの搭載率は2010年時に17.8%だったが、2019年モデルでは27.3%へ向上した。

ボディタイプ別 米国市場台数加重平均車両価格 2010-2019年

さらに、ピックアップに搭載されるエンジンの平均サイズは、2010年から2019年の間に5.0リッターから4.9リッターへと小さくなっているが、積載重量は1,823 lbs.826. 9kg)から2,186 lbs.991.6kg)へ増加し、平均燃費は、14.6 mpg 6.2km/l)から17.8 mpg7.6km/l)と改善した。

 

2019年は、過去最も高額なピックアップが米国で登場した年でもあった。その中でも、フォード・F-350 Limited 4×4 Crew Cab 8′ Box DRWは、マッサージ機能の付いたキャメルバックレザーシートに、Bang & Olufsen製プレミアムオーディオシステム、180/360度カメラを搭載。さらに6.7リッターエンジンと、5,530 lbs2508.4kg)の積載能力を有し、83,090米ドルの値札が付けられている。

 

*1 販売台数を加味した加重平均による値

*2 標準装備されたグレードの販売台数を加味した加重平均により計算された搭載率

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