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9月 1, 2020 by Terutaka Kawamura

2020年7月欧州新車販売台数速報

7月の欧州での電動車の販売台数は、単月としてこれまでで最大となった

  • 7月の欧州での電動車のマーケットシェアは過去最大となる18%
  • 新型コロナウイルスの悪影響は落ち着き、販売台数は前年同月比4%減となった
  • フォルクスワーゲン ゴルフが、モデル別販売で首位に戻る

 

最新のデータから、欧州の自動車業界は少しずつではあるが元通りになりつつあることが分かった。JATOの調査している欧州27カ国で、何か月も続いた減少傾向の後に、良い結果が見られている。20207月の販売台数は、昨年同月比でわずか4%減となる1,278,521台であった。これは、今年に入ってから最大の月次販売台数であり、また昨年9月以来最も多い台数である。

7月に起きた変化は、今年に入って最も良いものだった。JATOのグローバルアナリストであるFelipe Munozは「個人と法人、双方の顧客が、改善した市況に反応している。もしこの状況が続くなら、欧州自動車市場は‟V“字回復すると言えるかもしれない。

しかしながら、『いつどのようにして、最終的に新型コロナウイルスの感染拡大が終息するのか』についてはまだ大きな不確実性が残っているため、引き続き注意が必要だ」と述べた。年初来の累計販売台数は、昨年同期比で35%減の637万台に落ちている。しかし、イギリス、デンマーク、フランスといった国での需要は、その他欧州の小中規模の国と並んで回復していることが分かった。その理由としては、環境車の需要が増えたこと、購入する魅力が増えたことがある。Munozは「需要は増えているとはいえ、SUVに人気が集中している。電動化した車種が増えたことで、選択肢が広がったことも影響しているだろう」と続けた。

電動車の販売台数が過去最大に

世界的な感染拡大は経済に強烈な打撃を与えたが、消費者の電動車に対する関心へは、影響していないようだ。20207月の電動車販売台数は、昨年同月比131%増となる230,700台となり、初めて単月で20万台を超える記録的な売り上げとなった。その結果として、マーケットシェアは20187月の5.7%20197月の7.5%から大きく拡大し、当月は18%となっている。「電動車の販売が伸びていることは、手に届きやすい価格帯の車種が増えたことと大きく関係している。ブランド間の競争が激しくなったことも、価格を下げた要因である」とMunozは述べている。

電動車の内、半分はハイブリッド車(HEV)で、その台数は89%伸びた。フォード プーマ(Puma)とフィアット500のマイルドハイブリッド版も、この結果に貢献している。プラグイン・ハイブリッド車(PHEV)は昨年同月から365%増となる55,800台を売り上げており、新型モデルであるフォード クーガ(Kuga)、メルセデス Aクラス、ボルボ XC40BMW 3シリーズが販売を押し上げた。

ピュアEVBEV)が、ようやく心強い結果を見せた。昨年7月は23,400台だったところが、1年後には大幅増の53,200台となったのだ。モデル数も、28から38モデルへ増えている。プジョー208、ミニ エレクトリック、MG ZS、ポルシェ タイカンのような新型車が数字を浮揚させた。テスラは、カリフォルニア州フリーモント工場での操業問題に由来する、欧州市場への納車の遅れから、76%減となる1,050台となっている。Munozは「電動車の販売台数が増えているという通常の傾向とは対照的に、テスラは今年、欧州での販売が押され気味だ。原因としては、カリフォルニア州の工場で製造を続けることが困難であるという問題もあるが、欧州ブランド達の努力により、競争が激化していることもある」と述べた。

 

SUVも最大のマーケットシェアを獲得

電動車と同様に、SUVも記録的な結果を残した。当月、42%のマーケットシェアとなる 530,800台を販売し、20197月以来、単月として最多台数となったのだ。「SUVは通常、他の車種より高額であることが多いため、今の危機にあって唯一成長しているセグメントであるということは、驚きである。困難な場面においても、競争力のある車両を用意すれば、消費者は積極的に反応する、ということを証明した」とMunozは述べている。

ミッドサイズSUVは、唯一減少(-6%)を記録したが、反対にそれ以外のスモールSUV+9%)、コンパクトSUV+4%)、ラージ/ラグジュアリーSUV+14%)は好調な結果を残している。同時に、多くのモデルが電動化したことにより販売が急伸した。当月販売された電動車の内、48%SUVだった。

フォルクスワーゲン ゴルフが再び首位に

2か月続けてルノー クリオ(ルーテシア)に負けていたが、8世代目となる車両を十分用意できたことで、フォルクスワーゲン ゴルフはモデル別販売ランキングで首位に返り咲いた。しかしながら、7世代目ゴルフの大きな販売減を打ち消すには不十分で、前年同月と比べてゴルフの台数は減少している。対照的に、クリオ(ルーテシア)は販売台数の89%が新型に置き換わったため、前年同月比26%増を記録した。

シュコダ オクタビア(Skoda Octavia)、プジョー 208、ルノー キャプチャー、プジョー 2008も、新型車を最近投入したことで、2桁成長を記録した。その他好調だったのは、ヒュンダイ コナ(Kona)の56%増、BMW 3シリーズの59%増、ミニ ハッチの26%増、ボルボ XC4066%増、BMW X149%増、BMW 1シリーズの52%増がある。ルノー ゾエ(Zoe)とキア ニロ(Kia Niro)は、それぞれ146%増、111%増となった。

 

最近発表されたモデルの結果は以下の通りである:フォード プーマ(Puma)が13,157台を売り上げ、モデル別販売で24位;シュコダ カミーク(Skoda Kamiq)が8,736台;マツダ CX-305,494台;キア Xシード(Kia Xceed)が5,201台;アウディ Q3 スポーツバックが4,183台;メルセデス GLB2,469台;ポルシェ タイカンが1,498台。

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