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12月 21, 2020

2020年欧州二酸化炭素排出量レポート

欧州の自動車会社は今年、いくつもの試練を経験した。新型コロナウイルスの大きな破壊的影響に加えて、現在、欧州委員会が提示した差し迫った排出量削減目標の期限に直面している。

JATOのデータによると、2020110月の実績では、グループPSAは競合他社と比較して、販売台数を加味した加重平均排出量が最も少ない結果となった。

 

欧州委員会の法律では、排出量の目標値を超えた1グラムあたり、自動車会社に登録車1台あたり95ユーロの罰金を科すことになっている。この政策の結果、多くのブランドは、排出量に大きく貢献する売れ行きの悪いモデルの一部を中止することにした。

排出削減目標の期限が迫っていることで、自動車会社の電動化計画も加速している。スーパークレジット*1により、ゼロエミッション車や低公害車*2の販売が促進されたためだ。この制度のおかげで、メーカー毎の平均排出量を計算する際には、50g/km未満の車は1台が2台(2020年の値)として計上される。

 

当社のデータによると、スーパークレジットは、今年の電動車の販売台数の顕著な伸びを支えてきた。低公害車の10月までの累計販売台数は、欧州22カ国で、2019年の411,700台から113%増の875,000台となっている。また、そのマーケットシェアは前年の同期間(1月から10月)と比較して、3.2%から9.3%へと急拡大した。この増加は、ガソリン車とディーゼル車に見られる2桁の需要減と一致している。

 

 

低公害車市場の急騰は続く 

欧州の法律によって低炭素化が推進される中、低公害車の販売台数は急増し続けている。実際、現行のスーパークレジットで評価した場合、ピュアEVBEV)、燃料電池車(FCV)、プラグイン・ハイブリッド車(PHEV)は、平均値が50g/km以内に収まっている唯一の自動車であった。

 

純粋な内燃機関のみの車(ディーゼル車とガソリン車)やハイブリッド車(HEV)では同じことは言えない。これらの車の20201月から10月の平均値は100g/kmを超えている。

 

PSA の排出量が最も少ない 

20201月から10月までの、グループPSAの販売台数を加味した加重平均排出量は97.9g/kmであった。これは、スーパークレジットやフェーズイン*3(2020年は新車の95%のみに規制が適用される)によるメリットを除いても、11ある連合(オープンプール*4と呼ばれる)の中では最高の結果である。

 

グループPSA 1月から10月までの平均排出量は、スーパークレジットとフェーズインを利用した場合では、91.9g/km まで低減する。6g 削減は、小型車の需要が増加したことと、低公害車に注力してきたことの結果である。同期間において、シティーカー、サブコンパクト、スモールSUVが販売台数の 57% を占めており、プラグイン・ハイブリッド車(PHEV)とピュアEVBEV)の販売台数は88,800台に達した。

 

ブランド別で見た場合、2番目に平均排出量が少なかったのはDSであった。ゼロエミッションのテスラ、マクサス、ポールスター、スマートの4ブランドを除けば、MGが首位である。

 

JATOの二酸化炭素排出量データについて

 

排出量データは、すべて公開情報源から直接入手したもの、あるいは公開情報源がない場合は比較可能な車両から参照したものである。スーパークレジットとフェーズインを利用する場合と、しない場合の販売台数を加味した加重平均排出量の差が7.5 g/kmを上限とするよう計算している。スーパークレジットは、初年度に利用されることを前提とした。対象国は以下の22カ国:オーストリア、ベルギー、クロアチア、チェコ、デンマーク、フィンランド、フランス、ドイツ、イギリス、ギリシャ、ハンガリー、アイルランド、イタリア、ノルウェー、ポーランド、ポルトガル、ルーマニア、スロバキア、スロベニア、スペイン、スウェーデン、オランダ。

 

*1スーパークレジットとは:

排出量が50 g/km以下の車両は、2020年から2022年の間に限り、以下の重み係数が適用され、全体の平均値を小さくすることができる:

2020年は1台が2.00台、2021年は1台が1.67台、2022年は1台が1.33台。

2020年から2022年までの3年間を合算した排出量の平均値の内、スーパークレジットを利用した場合と、利用しない場合の差が、1ブランドあたり最大で7.5g/kmとなる範囲で適用される。

 

*2低公害車とは:

本レポートでは、ピュアEVBEV)とプラグイン・ハイブリッド車(PHEV)と燃料電池車(FCV)を合わせたものを定義している

 

*3フェーズインとは:

2020年は猶予期間とされ、自動車会社が販売した車両の内、排出量が多い上位5%の台数は計算対象から除外される。2021年からは、販売されたすべての車両が計算の対象となる。

 

*4オープンプールとは:

排出量の平均値を算出するにあたり、自動車会社は連合を組んで目標値を達成することができる。この連合をオープンプールと呼ぶ。

 

本レポートにおける、オープンプールの内訳は以下の通り;

 

 

BMW:BMWブランド、ミニ、ロールスロイス

ダイムラー:メルセデス、スマート

フィアット・クライスラー:アバルト、アルファロメオ、クライスラー、ダッジ、フィアット、ジープ、ランチア(Lancia)、マセラティ、ラム(Ram)、ホンダ、テスラ

浙江吉利控股集団:ボルボ、ポールスター、リンク・アンド・コー(Lynk & Co)、ロータス、London EV CompanyLEVC)、 吉利(Geely)ブランド、 フォード

ヒュンダイ・キア:ヒュンダイ(Hyundai)、キア(Kia

PSA:シトロエン、DS、オペル(Opel)、プジョー、ボクスホール(Vauxhall

ルノー・ニッサン・ミツビシ:アルピーヌ、ダチア(Dacia)、インフィニティ、ラーダ(Lada)、ミツビシ、ニッサン、ルノー

スズキ:スズキブランド

タタモーターズ:ジャガー、ランドローバー、タタ(Tata)ブランド

トヨタ:レクサス、トヨタブランド、マツダ

フォルクスワーゲングループ:アウディ、ベントレー、クプラ(Cupra)、MG、ポルシェ、上汽集団(SAIC)、上汽大通 マクサス(SAIC Maxus)、セアト(Seat)、シュコダ(Skoda)、フォルクスワーゲン

Download file: EU CO2 Emission Analysis 2020-J.pdf