2021年6月欧州新車販売台数速報
テスラ モデル3が引き続き好調で、6月に欧州で2番目に売れたモデルとなった
- 6月の新車販売台数は引き続き増加したが、新型コロナウイルス発生前の水準には遠く及ばず
- 低公害車は過去最高のマーケットシェアを確保
- 販売台数ランキングでは、テスラ モデル3がフォルクスワーゲン ゴルフに次いで2位
JATO Dynamicsが調査した欧州26カ国のデータによると、2021年6月の新車販売台数は126万8,683台となり、2020年6月と比較して13%増加した。増加こそしたものの、市場の回復速度は今年の3月から5月にかけて記録した成長率に比べて鈍化している。
2021年に入ってから、欧州新車市場は順調に回復してきたが、新型コロナウイルスの影響が続いており、販売の勢いは阻害されている。当月の販売台数は約127万台で、2019年の147万台、2018年の160万台に比べてまだ後れを取っている。JATO DynamicsのグローバルアナリストであるFelipe Munozは「状況はまだ理想的ではなく、完全な回復には程遠い。中期的には、市場が感染拡大前のレベルに達するかどうかは明らかではない」と述べている。2021年上半期の台数は合計641万台で、2020年と比べて同期比27%増だが、2019年上半期と比べて23%減となった。
低公害車(BEVおよびPHEV)は引き続き好調で、マーケットシェアは2020年6月の8.2%から上昇し、18.5%と新記録を達成した。当月のBEVの販売台数は12万6,000台で、PHEVの10万4,000台を上回った。BEV市場ではフィアット、テスラ、シュコダ(Skoda)、フォルクスワーゲン、フォードが、PHEV市場ではクプラ(Cupra)、ジープ、フォルクスワーゲン、ルノー、セアト(Seat)が最もシェアを拡大した。
欧州全域で需要は順調に拡大しているが、中でもノルウェー(+24%ポイント)、スウェーデン(+24%ポイント)、デンマーク(+21%ポイント)、アイルランド(+17%ポイント)、ドイツ(+15%ポイント)では大幅にマーケットシェアを拡大した。一方、スロバキアでは0.7%ポイント、ルーマニアでは1.4%ポイント、ポーランドでは1.6%ポイントの増加に留まった。
低公害車の人気の高まりは、特定のブランドの販売構成にも影響を与えている。例えば、ジープの新型PHEVモデルは、2020年6月には0.5%だったのに対し、当月には30%を占めた。クプラ(Cupra)の低公害車の販売割合は、2020年6月の0%から当月は58%に急増し、MGの総台数に占める同割合は72%となった。
モデル別販売ランキングでは、フォルクスワーゲン ゴルフが27,247台で、マーケットシェア2.15%に相当し、消費者に最も人気のある新車となった。2020年6月から12%増加したものの、マーケットシェアが2.52%だった2019年6月と比較すると、台数は27%減少している。ゴルフに続いて、テスラ モデル3が当月2万5,697台を記録、年初来累計では6万6,350台となり、欧州で最も人気のある電気自動車となった。6月までの年初来販売ランキングでは全モデル中25位である。モデル3は、オーストリア、ノルウェー、スイス、英国では販売首位となり、デンマーク、フランス、ドイツ、アイルランド、ルクセンブルグ、スウェーデンでは上位10位に入っている。
その他、2019年6月と比較して顕著な伸びを示したモデルは、フィアット 500、トヨタ ヤリス、フォルクスワーゲン T-Roc、プジョー 2008、フォルクスワーゲン T-Cross、ヒュンダイ ツーソン(Hyundai Tucson)、アウディ A3、トヨタ C-HR、ヒュンダイ コナ(Hyundai Kona)、BMW 3シリーズ、ボルボ XC40であった。
最新発売されたモデルで好調であったのは以下の通り:オペル モッカ(Opel Mokka)が7,741台、シトロエンC4が7,353台、フォルクスワーゲン ID.3が7,040台、ID.4が6,347台、シュコダ エンヤック(Skoda Enyaq)が6,011台、クプラ フォーメンター(Cupra Formentor)が5,967台、ルノー アルカナ(Arkana)は4,766台、フォード マスタング マッハE(Mach-E)は3,002台をそれぞれ販売した。