2021年12月欧州新車販売台数速報
テスラが12月にキア、シトロエン、フィアットを上回り、過去最高のマーケットシェアを記録
2021年12月の欧州自動車市場は、またも販売減が続いた。JATO Dynamicsの欧州28カ国のデータによると、新車販売台数は前年同月比22%減の949,252台となった。2020年12月の時点で、市場はすでにパンデミック前の水準から3.8%減少した121万台であった。
こうした状況に反し、テスラは市場内での地位を向上させることができた数少ないブランドの一つであり、当月35,230台を販売した。これは、テスラが欧州に進出して以来、月間で最も多い台数である。その結果、テスラのマーケットシェアは、2019年12月の1.93%、2020年12月の2.23%から上昇し、3.71%という記録的な数値となった。
JATO DynamicsのグローバルアナリストであるFelipe Munozは「テスラは欧州の自動車産業における現在の危機を、他のどの自動車メーカーよりもうまく乗り切った」 と述べている。モデル3はモデル別ランキングで首位となり、モデルYもトップ40入りとなった。この2モデルの成功だけで、テスラはキア(12モデル)、シトロエン(10モデル)、フィアット(7モデル)などの既存ブランドを上回る販売台数を記録している。
SUVが新記録を樹立
SUVの人気は、欧州全域で高まり続けている。当月、販売台数全体の47.5%を占め、月次マーケットシェアの記録を更新した。
SUVセグメントのマーケットシェアは、フォルクスワーゲン グループが23.9%で首位となり、ステランティスが16.4%、ヒュンダイキアが10%と続いている。SUVモデルランキングでは、プジョー 2008が1万6,330台(2020年比9%減、2019年比47%増)となり、首位となった。ダチア ダスター(Dacia Duster)、ヒュンダイ ツーソン(Hyundai Tucson)、トヨタ ヤリス クロス、オペル/ボクスホール モッカ(Opel/Vauxhall Mokka)、テスラ モデルYも好調な結果である。
EVが過去最高のシェアを達成
当月は低公害車のマーケットシェアも29.3%となり、月次として過去最高記録を更新した。PHEVやBEVの人気は、販売店での入手しやすさが向上したことや、政府が従来のセグメントから消費者を移行させるためのインセンティブを継続的に与えていることに後押しされている。このような成長により、いくつかの市場で新車販売の大部分をEVが占めており、ノルウェーで90%、オランダで64%、スウェーデンで61%、デンマークで57%であった。
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